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桑の葉を食べる蚕(かいこ)

シルク(絹)を生み出す蚕(かいこ)の一生

人類は、紀元前からかいこが吐き出す絹糸(シルク糸)を利用してきました。

中国においては、長きにわたって絹に関する技術は国外秘にされていましたが、絹織物は、古代ギリシャのアレクサンダー大王(紀元前356年〜紀元前323年)の頃から絹の交易の道であったシルクロードを通じて輸出されていました。

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黄八丈(きはちじょう)

黄八丈(きはちじょう)とは?八丈島の絹織物である黄八丈の歴史と染色技法について

黄八丈きはちじょうとは、主に草木染めで染められた黄色・樺色かばいろ・黒色の三色の糸を使って、さまざまな縞模様を織り出す絹織物のことです。

黄八丈きはちじょうは、広い意味で茶系統の鳶八丈とびはちじょうや黒系統の黒八丈くろはちじょうを含めた、八丈島で生産されたつむぎを総称しています。

全体的に渋く、味わいのある色合いであるため、絹織物らしい光沢感は抑えられます。

染色の工程で、乾燥のために長い日数を八丈島の強い直射日光にさらすため、堅牢度けんろうどが良く変色したり退色しづらい特徴があります。

黄八丈きはちじょうは、たくさん使われ、洗われることで、年を経るにつれて、より一層色合いが冴えてくるともいわれたりします。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ),絹糸(シルク糸)の原料

野蚕シルクの種類と特徴、家蚕シルクとの違いについて

シルクの素材を扱う上で、「家蚕かさん」、「野蚕やさん」という言葉に出会います。

野生であったものを人工的に繁殖させたり、品種改良しながら飼育されたが「家蚕かさん」と呼ばれます。

野生に生息していたり、野生に近い状態のマユをつくる昆虫類を「野生絹糸虫やせいけんしちゅう」と総称し、その中で特に実用的なマユをつくる品種を「野蚕やさん」と呼んでいます。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

蚕(かいこ)の繭(まゆ)から生糸を作る場合は、糸を撚るのではなく繰る(くる)

シルク(絹)は、かいこによって作られた繊維とその製品の総称です。

シルクは、綿や羊毛(ウール)と違い、連続した細い繊維でできており、しなやかな感触と優雅な光沢感を持っています。

シルクを産出しなかったヨーロッパでは、シルクはシルクロードを通って遠く中国から運ばれ、同じ重さの黄金と同じ価格で取引されたと言われています。

人類は5000年以上も前から、かいこが作るまゆを利用して糸づくりを行っていました。

現代においても最高級の繊維とされているシルクの特徴はさまざま挙げられ、その糸づくりも綿や麻などの植物繊維とは違いがあります。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

日本における絹(シルク)の歴史。中国からシルクロードを通じて世界へ

絹(シルク)の起源は、紀元前2650年前、古代中国の神話伝説時代の8人の帝王の一人で黄帝こうていの妃である、西稜せいりょうまゆから糸をとり出すことを考え、貴人などのそばに仕える女性たちに養蚕ようさんと製糸の技術を教えたことから始まったとされています。

殷代安陽期いんだいあんようき(紀元前1200〜1050年)に出土した甲骨こうこつ文字の中に「蚕」「桑」「絹」「糸」に関する文字が見られることから、遅くとも殷王朝いんおうちょう時代の中国では、(紀元前1600年頃〜紀元前1046年まで続いた中国最古の王朝)すでに養蚕ようさんが行われていたと考えられているのです。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

シルク(絹)とは?シルクの性質と特徴、美しい光沢感をもつ理由について

シルクは、綿や羊毛(ウール)と違い、連続した細い繊維でできており、しなやかな感触と優雅な光沢感を持っています。

シルクを産出しなかったヨーロッパでは、シルクはシルクロードを通って遠く中国から運ばれ、同じ重さの黄金と同じ価格で取引されたと言われています。

人類は5000年以上も前から、マユを利用して糸をつくることを知っていたようですが、現代においては貴重で最高の繊維とされているシルクの特徴としては、さまざま挙げられます。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ),絹糸(シルク糸)の原料

絹(シルク)のセリシンとは?セリシン(sericin)を除去する方法について

かいこ家蚕かさん)のまゆから取ったままの糸を生糸きいと(raw silk)と言います。

生糸きいとを構成している一本の繊維は、2種のタンパク質からなります。

カイコの体内にある左右の絹糸腺からつくられた2本の「フィブロイン」タンパク質が、膠質こうしつの「セリシン(sericin)」と呼ばれるタンパク質に包まれた形になっています。 続きを読む

細密に織られた絹布である縑(かとり)

かとり」は、細かく固く織られた絹布を表します。

細密に織られた絹布である縑(かとり)

かとり」は、太い糸で織った粗末そまつな絹布を表した「あしぎぬ」の対義語となります。

『日本書紀』には、神功皇后じんぐうこうごうの時に、古代の朝鮮半島南東部にあった国家である新羅しらぎから貢がれたとあります。

魏志倭人伝ぎしわじんでん』には、三世紀初めに「絳青縑こうせいけん」を日本からの使者に贈ったことが記されています。

平安時代には、かとりは、装束に仕立てるための布に用いられていました。

絹織物である甲斐絹(かいき)の特徴

絹織物の名前である甲斐絹(かいき)は、海気や改機、海黄、加伊岐などとも表記されてきました。

甲斐絹(かいき)は、もともと慶長けいちょう(1596年〜1615年)以前にオランダ人が貿易で日本にもたらした織物とされます。

寛文かんぶん年間(1661年〜1673年)に、甲斐絹(かいき)にならって甲斐かい(現在の山梨県)の郡内地方で同じような織物を生産し、これを「郡内海気」や「郡内」と言いました。

明治時代の初め頃から、産地の名前にあやかって「甲斐絹(かいき)」の字を当てたとされます。

経糸、緯糸に染色した絹練糸を用いた平織物で、色糸の使い分けによって無地や縞柄、格子や玉虫、雪降などの種類があります。 続きを読む