織り」カテゴリーアーカイブ

ヨーロッパにおけるインド更紗の歴史

16世紀ごろから、ヨーロッパの東方進出によって、インドで生産される染織品の優秀さが知られるようになります。

木綿、羊毛、絹などの織物や更紗など、優れた染織品が世界中に伝わっていき、日本にその当時に輸入された綿織物の多くもインド産のものでした。

インド更紗は、17世紀にオランダやイギリス、フランスやポルトガルなどのヨーロッパの列強が東南アジア貿易の拠点として作り上げた「東インド会社」によって、大量にヨーロッパにもたらされました。

17世紀にヨーロッパ社会に登場したインド更紗は、18世紀〜19世紀にかけてヨーロッパの文化や経済を根底からくつがえす大きな力の一つとなったのです。 続きを読む

絵絣(えがすり)松竹梅文

絵絣(えがすり)とは?絵絣の特徴や起源について

絵絣えがすりとは、緯糸によって絵模様(文様もんよう)を織り出した絣織の一種です。

出雲広瀬、弓ヶ浜、倉吉くらよし久留米などが、絵絣えがすりの産地として知られていました。

絵絣えがすり」という名前自体は、昭和7年(1932年)〜昭和10年(1935年)ごろに、柳宗悦やなぎむねよしを中心に集まった初期民芸運動の人々の間で生まれ、定着していったと考えられます。 続きを読む

井桁絣(いげたがすり),型染と併用した経緯絣

絣(かすり)模様の種類。紺絣(こんがすり)と白絣(しろがすり)の違いについて

江戸時代後期から明治、大正、昭和の時代にかけて、庶民の間でとりわけ親しまれた織物にかすりがあります。

かすりとは、経糸か緯糸のどちらか、あるいは経糸と緯糸の一定部分を、糸や布などで括ったり木の板で挟むことによって防染して染めた糸を使用し、織り模様(文様)を表現したものです。

織物の組織としては、絣は平織りと繻子織りしゅすおりにみられます。 続きを読む

綾織(あやおり)の特徴と種類、日本における綾織(斜文織)の歴史について

織物には基本とされる構造があり、ひら織り、あや織り、朱子織しゅすおりは、三原組織さんげんそしきと呼ばれています。

綾織物(twill fabric)は、「斜文組織しゃもんの織物」で、経糸と緯糸が交差する組織点を斜めに連続させたもので、布面には斜めに走る線が現れます。
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ラペット織り、ドビー織り、ジャガード織りとは?紋織り(もんおり)の種類について

もん織りという言葉は、平織り、あや織り、朱子しゅす織りなどの異なる組織や、異なる色糸を組み合わせることによってできる織物の総称として使用されます。

もん織りの種類には、ラペット織り、ドビー織り、ジャガード織りなどがあります。
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織物におけるシフォン(chiffon)

織物におけるシフォン(chiffon)は、一般的なものよりも薄くて柔らかい平織りの織物を表します。

代表的なものに「シフォンベルベット」、「シフォンタフタ」、「シフォンクレープ」などがあります。

語源は、古フランス語の「chipe=(布の)切れ端、ボロ(襤褸らんる)で、フランス語の「chiffe=襤褸ぎれ」、「chiffon」を経由して、1756年に「絹モスリン、飾りレース」という意味で文献に初出しています。

フランス語におけるシフォンは、①襤褸らんるぎれ、②雑巾③(しわくちゃな)布・衣類・紙③断ちくずなどの意味があります。

織物におけるサテン(satin)とは?サテン・朱子織(satin weave)の特徴(メリット・デメリット)

サテン(satin)とは、朱子織(satin weave)による織物を表します。

漢字では本来「繻子しゅす(薄い絹織物)」と書きますが、その音を当て字した「朱子」と書く場合が多いです。

サテンは、経糸、あるいは緯糸のいずれか一方が表面に浮き出している組織で、糸が飛んで長く浮いているので、布に光沢感となめらかさが表現できる一方、摩擦に弱いという欠点があります。 続きを読む