デザイン」カテゴリーアーカイブ

裂織(裂き織り)された布

裂き織り(さきおり)とは?裂織の方法と裂き布の作り方について

織物は、経糸たていと緯糸よこいとが互いに交差しあってできる布ですが、織り込もうと思えば、大抵どのようなものでも緯糸として使用できます。

例えば、和紙やイネ科の多年草であるよし、ヤシ科のツル性植物であるとう、木の皮などを糸にして緯糸に織り込んでいる織物などさまざまあります。 続きを読む

縞織物

縞織物の種類。海外から舶来した縞織物の歴史について

日本では室町時代頃から茶の湯が行われ、茶人達は海外から舶来はくらいした珍しいきれを競って入手しようとしていました。

朝鮮や中国、ポルトガルやオランダなどの船によって、インドや東南アジア、ヨーロッパなど、様々な国から珍しい織物が運ばれ、とりわけ縞柄の織物が人々の間で人気を博しました。

縞織物は基本的に、縦縞(竪縞たてじま)、横縞よこじま格子縞こうしじまの3種類のうちのどれかに当てはまります。

用いられている色の素材や糸の太細、緻密さ、配色、縞の幅の広狭こうきょう、金銀糸の使用、紋織もんおりの併用など、ありとあらゆるの縞織物が存在します。
続きを読む

伊勢型紙,小葵文(こあおいもん),菱形(菱文)

デザインにおける小葵文(こあおいもん)

小葵こあおいを文様化(模様化)した小葵文こあおいもんは、平安時代にはすでに使用された文様(模様)で、皇族の装束から、宮中のふすまや几帳きちょうなどの調度ちょうど(日常生活で使われる道具や家具等)にも利用されていました。

小葵,銭葵(ぜにあおい)錦葵 Malva sylvestris v mauritiana -香港花展 Hong Kong Flower Show- (9190650345)

小葵,銭葵(ぜにあおい),阿橋 HQ, CC BY-SA 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0>, via Wikimedia Commons,Link

小葵こあおいとは、銭葵ぜにあおい(学名:Malva mauritiana)の異称で、「銭葵ぜにあおい」という名前は、丸みのある花や葉の形が「銭」に似ていることからその名が付けられたとされます。
続きを読む

インド更紗

更紗(さらさ)とは?基本的な染色方法と装飾加工。インド更紗における主な植物染料について

更紗さらさとは、室町時代末期以降(16世紀以降)、ポルトガルやオランダ、イギリスなどのいわゆる南蛮船なんばんせんが運んできた、インドやペルシャ、シャム(タイ)・ジャワ(インドネシア)などの東南アジアで模様染めされた布を指して呼ばれたものです。

江戸時代中期以降に、日本でも更紗を模して、京更紗や江戸更紗、鍋島更紗や天草更紗、長崎更紗や堺更紗など、それぞれの土地でそれぞれの更紗(和更紗わさらさ)が作られました。
続きを読む

絣柄に彫られた伊勢型紙,絣型染(かすりかたぞめ)

型染めで絣模様を表現する絣型染(かすりかたぞめ)・常磐紺形染(ときわこんがたぞめ)。絣形に彫られた型紙を使用した型染め技法について

現在の福岡県の久留米における久留米絣くるめがすりや愛媛県の伊予絣いよがすりなど、絣織物の産地が日本各地にありました。

糸をヒモで括って部分的に防染した絣糸かすりいとを用い、織りによって絣の模様(文様)を表現するのが通常の絣の織物です。

織りで模様(文様)が表現された一般的な絣(絵絣),松竹梅文

織りで模様(文様)が表現された一般的な絣(絵絣),松竹梅文

ただ、絣産地がなかった東北地方においては、絣形に彫られた型紙を使用した型染めを行うことで、「絣模様」を表現するという工夫がされていました。 続きを読む

デザインにおける鹿文(しかもん)

鹿は古くから人間と関わりが深かったため、文様(模様)表現として活用された歴史も非常に古いです。

中国大陸最古の王朝であるいんの時代から、鹿頭の飾りが用いられたり、中国神話に現れる伝説上の動物である麒麟きりんのモチーフにもなっています。

日本においても弥生時代に製造された青銅器である銅鐸どうたくのなかに、鹿の模様(鹿文しかもん)が描かれているものがあることから、その当時から関わりがあったことを示しています。 続きを読む

江戸小紋(えどこもん)

小紋(こもん)とは?小紋の歴史や江戸小紋の制作工程について

江戸小紋えどこもんという言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、そもそも小紋こもんとはどのような意味でしょうか。

もんという言葉は、単一または反復文様を表し、一般的には秩序立って乱れがなく、きちんと並んでいる様を表す模様(文様)を意味します。 続きを読む