ヨーロッパにおいて、非常に多く文学や美術に使用されてきた花にユリ(百合)があります。
ユリの花がさまざまな創作物のモチーフに使われていた歴史は古く、古代ミノア文明(Minoan civilization)が栄えたクレタ島では、紀元前1600年頃の壺や壁画に描かれています。
ユリの花とクジャクの羽で作った冠をかぶった「百合の王子(Prince of the Lilies)」と呼ばれる壁画があります。 続きを読む
ヨーロッパにおいて、非常に多く文学や美術に使用されてきた花にユリ(百合)があります。
ユリの花がさまざまな創作物のモチーフに使われていた歴史は古く、古代ミノア文明(Minoan civilization)が栄えたクレタ島では、紀元前1600年頃の壺や壁画に描かれています。
ユリの花とクジャクの羽で作った冠をかぶった「百合の王子(Prince of the Lilies)」と呼ばれる壁画があります。 続きを読む
ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。
もっとも古いもので、紀元前1500年頃のクレタ文明における壁画に描かれたバラの落花があります。
バラは、ギリシャやローマに伝えられ、百合やサフランなどと共に古代人に尊ばれていました。 続きを読む
今では伝説として語り継がれていますが、現在のバングラデシュの首都ダッカでは、高度な技術によってつくられたダッカ・モスリンという伝説の綿織物がありました。
現存するものは、ロンドンのヴィクトリア・アルバート博物館で保存されているようです。
バングラディッシュは、インドから独立した国なので、イギリスが植民地統治をしている以前は、インドの綿業の中心地であり、その生産量や染色技術においてももっとも世界で進んでいたと言われます。
当時はもちろん機械がなく手工業だったので、糸は手紡ぎされていましたが、その糸が非常に細く、それを使用して非常に薄い綿織物を織っていました。
インドで手紡ぎをイメージすると、ガンジーが糸車を回している有名な写真を思い起こしますが、当時細い糸を紡ぐときも、早朝に霧の立ち込める川のほとりで糸車を回し、指先に油をつけながら紡いだといわれています。
早朝の霧、そして川の近くで湿気の多い場所が、糸を紡ぐのに適していたのです。 続きを読む
沖縄における絣織物(琉球絣)には、独特な幾何学文様があります。
線で構成したこれらの絣柄は、18世紀後半の御絵図帳で高度に完成したと考えられます。
「御絵図帳」とは、琉球王国における首里王府の絵師たちによってまとめられた絣の図案集です。
「御絵図帳」とは、琉球絣が貴重な貿易商品だった時代、王国に収める貢納布を織らせるために模様や染色などを細かく指定したものです。 続きを読む
本を開いたとき外側にくる部分のことを小口と言いますが、小口の部分に絵を描くことを、フォアエッジペインティング(Fore-edge painting)と言います。
フォアエッジペインティング(Fore-edge painting)は、日本においては小口絵と呼ばれているものです。
フォアエッジペインティング,Fore-edge painting,Special Collections Department, Public domain, via Wikimedia Commons,Link
ウィキペディアのフォアエッジペインティング(Fore-edge painting)に関する記述によると、最も初期の小口絵の登場は、10世紀頃までさかのぼるそうです。
参照:Fore-edge painting From Wikipedia
イギリスでは、14世紀には金色や他の色彩の紋章のデザインがあったり、本が閉じられたときに絵が見えないような描かれ方がされた最初の例が、1649年のものであるとされています。
現在では、フォアエッジペインティング(Fore-edge painting)を専門とするアーティストもいるようです。
裂き織りとは、もともと着古された着物であったり、使い込まれた布を細かく裂いた「裂き布」を緯糸に織り込んだ平織りの織物のことです。
織物は、経糸と緯糸が互いに交差しあってできる布ですが、織り込もうと思えば、大抵どのようなものでも緯糸として使用できます。
例えば、和紙やイネ科の多年草である葭、ヤシ科のツル性植物である籐、木の皮などを糸にして緯糸に織り込んでいる織物などさまざまあります。
経糸に藤糸を用いた裂き織(中央),漱石の猫, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link
経糸に藤糸を用いた裂き織,漱石の猫, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link
裂き織りは、日本だけではなく、スウェーデンやアメリカ、スペインなど海外でも行われていました。
日本における裂き織りの起源はよく分かっていませんが、その分布が東北地方や佐渡、能登、丹後、隠岐(島根県隠岐諸島)、中国地方の山地などにみられ、主に日本海側沿岸の地域を中心としているのが特徴的です。
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