デザイン」カテゴリーアーカイブ

デザインにおける金嚢文(きんのうもん)

金銭や財宝を入れる袋で、現代でいうお財布のような役割を果たしていたものを「金嚢(きんのう)」と呼んでいました。

お金だけでなく、香料やお守りなど、大切なものを入れておく袋としても用いられていた金嚢きんのうは、模様(文様)としても活用されてきました。 続きを読む

清水裂(きよみずぎれ)

名物裂のひとつである清水裂(きよみずぎれ)

名物裂めいぶつぎれのひとつに、「清水裂きよみずぎれ」と呼ばれるものがあります。

名物裂めいぶつぎれとは、鎌倉時代から江戸時代初期にかけて主に中国やインド、ベルシャや東南アジアから渡来した絹織物の呼び名のひとつです。

名物めいぶつを包む裂・・・・・・として、「名物裂めいぶつぎれ」という名前で、後世に染織文化が伝わったのは、茶の湯による功績といえます。

関連記事:名物裂(めいぶつぎれ)とは?名物裂の種類や特徴(金襴、緞子、間道、錦、繻珍、風通、金羅、金紗、印金、天鵞絨、モール、更紗)

名物裂のひとつである清水裂(きよみずぎれ)

清水裂きよみずぎれは、元禄げんろく4年(1691年)に撤去された京都の清水寺本尊帳に使用されていた裂と伝えられています。

清水裂きよみずぎれには、繻子しゅす織りされた地が濃色に藍で染められ、梅とうぐいすが写実的に表現されています。

『古錦綺譜』には、「清水寺本尊外帳ノ切ナリト云」と書かれ、「地色濃アイミル茶、紋梅の立木ニ鶯也、ヨリ金入ル、地色茶モ有リ」とあります。

名物裂めいぶつぎれは、金襴きんらんの部類に入りますが、東京国立博物館に所蔵されているものや、前田家伝来の裂にも金糸は使用されていません。

名物裂清水裂,東京国立博物館所蔵

名物裂清水裂,東京国立博物館所蔵

デザインにおける杵文(きねもん)

もち穀物こくもつうすくのに用いる道具を、「きね」といいます。

中央のくびれた部分を手で握って、まっすぐにくように作られた形の手杵てぎねが、古くからデザインとして模様化(文様化)されてきました。

もちをつく行為は、縁起の良い時やお祝い事の際によく行われたため、作業道具であるきねは、吉祥文きっしょうもんとして活用され、紋章にも用いられてきました。

型染めされた木綿の藍染布,松文(松模様)

デザインにおける吉祥文(きっしょうもん)

吉祥きっしょう」は、良いきざしや、めでたい印を意味する言葉です。

吉祥文きっしょうもんは、「吉祥」の意味が込められたデザインを総称します。

中国古代の『五行説』や『易経えききょう』の思想に基づくもの、宗教上の信仰によるもの、その他視覚的感情によるもの、歴史的伝説に基づくもの、言葉の発音と意味による語呂合わせ、隠語や迷言など、多種多様の吉祥文きっしょうもんがあります。

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デザインにおける菊五郎格子(きくごろうこうし)

文化・文政(1804年〜1830年)の頃に活躍した歌舞伎役者である三代目尾上菊五郎おのえきくごろうにちなんだ模様(文様)に、菊五郎格子きくごろうこうしがあります。

江戸時代に「判じ物(はんじもの)」と呼ばれる文字や絵画に隠された意味を当てるなぞ解きが流行しましたが、判じ物文様(はんじものもんよう)の一つとして「菊五郎格子きくごろうこうし」が知られていました。 続きを読む

デザインにおける桔梗文(ききょうもん)

桔梗ききょうは、古くから人々から愛された植物で、和歌や絵画、デザインにおける模様(文様)の題材として活用されてきました。

特に、秋の野に咲く草花の風情を文様化(模様化)した秋草文あきくさもんの一つとして桔梗ききょうが描かれることが多くありました。 続きを読む

型染めで唐草模様が表現された木綿布

捺染(プリント)とは?シルクスクリーンの歴史と活用方法

捺染なっせん(プリント)とは、模様を抜いた型紙やシルクスクリーン、彫刻ちょうこくをいれたローラーなどを使って、合成染料を混ぜた糊料こりょう色糊いろのり)を布地にプリントして模様を出すことを意味します。

色糊いろのりは、糊の防染力ぼうせんりょくと染料の着色力を合わせもつ材料なので、使い方によってはさまざまは表現をすることができます。

捺染(プリント)とは?

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