天然染料で美しい赤が得られるコチニールは、堅牢度が高いので現代でも染色においては重宝される染料です。 続きを読む
「赤色」カテゴリーアーカイブ
一斤染(いっきんぞめ/いっこんぞめ)とは?紅花で染められた淡い色合い
紅花(学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属で花弁を植物染料にします。
秋に種をまいて、冬を越して春になってから開花、結実してから枯れる越年草(二年草)として生育したり、寒い地域では一年草として春早い時期に種をまく場合もあります。
紅色の染料としての用途のみならず、食用油の原料としても栽培されています。 続きを読む
染色・草木染めにおける冬青(そよご)。染色方法の一例について

アリザリン染料とは?アニザリン染料の色合いについて
アリザリン (alizarin) は西洋茜(学名:Rubia tinctorum)の根から採取される赤色の染料で、西洋茜の色素に含まれる化合物のひとつです。 続きを読む
赤(あか)とは?
赤は、それを見る人に動的な感じを与え、暖かみを与えるような色合いです。
赤は、中国では五色の一つとされていました。
古く中国では、青(藍)、赤(朱)、黄、白、黒(玄)の五つの色を「五色」としており、五色は、正色とされ、その中間の色を「間色」として、間色は正しくない色であり、聖人君主は用いる色ではないとしていました。 続きを読む

染色・草木染めにおける桜(さくら)
桜は、古くから人々に親しまれてきました。
7世紀後半から8世紀後半(奈良時代末期)にかけてに成立したとされる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集』には、4,500首以上歌が集められていますが、桜を詠んだ歌が非常に多く、「桜の花」、「桜花」、「山桜」、「山桜花」などとあり、40首が収められています。
ただ、桜が染色に用いられるようになったのは近年になってからと考えられます。
江戸時代には「桜鼠」など色名がありますが、桜自体を使用したわけではなく、桜色がかった鼠色のことを指していると考えられます。 続きを読む
染色・草木染めにおけるバラ(薔薇)
ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。
日本においても古くからバラが栽培されていたとされ、バラを描いた美術や工芸品も残っています。

バラ(薔薇),Geolina163, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link
平安時代には、中国からコウシンバラ(庚申薔薇)が渡来していたと考えられており、「古今和歌集」や「枕草子」、「伊勢物語」や「源氏物語」などから、バラが観賞されていたことがわかります。
関連記事:デザインにおけるバラ(薔薇)
歴史的には、紅花のように花を染料にして染めことは行われてきましたが、バラの花びらを使った染色というのは、ほとんど行われなかったと考えられます。
一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました.
ただ、花びらを使用した染色において、バラの花が活用されることがあります。 続きを読む
染色・草木染めにおけるチューリップ
花を染料にして染める行為は、古くからおこなわれてきました。
特に有名なのが紅花で、赤系の色を染めるのに重要なものとされてきました。
紅花以外にも、杜若や、萩、露草などの花摺りであったり、槐花(槐)、金銀花(すいかずら)、向日葵なども染料とされていました。
紅花染めが色の移ろいが激しい染料として、数々の歌にも読まれているように、一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました。 続きを読む

染色・草木染めにおけるラック(紫鉱)。ラック(紫鉱)の染色方法について
正倉院薬物に記された正倉院宝物の中には、ラック(紫鉱)が残されており、染色に使用されていた可能性もあります。
ラック(紫鉱)は、紫梗や紫鉚などとも書き、江戸時代には花没薬として薬用の他、染色にも利用されてきました。 続きを読む
染色・草木染めにおける赤芽槲(久木)
赤芽槲(久木)は、トウダイグサ科のアカメガシワ属で、学名はMallotus japonicusです。
赤芽槲(久木)は、新芽が赤いことから名付けられたもので、樹皮は灰褐色で若枝が赤褐色をしています。

赤芽槲(久木),Mallotus japonicus,Kirisame, CC BY-SA 3.0<https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons,Link
日本においては、本州から沖縄まで生育し、台湾や中国の山野にも分布しており、成長すると10mを超える大木になます。
久木や、楸、比佐岐とも書かれ、これらは赤芽槲の古名として知られています。
朴や槲の葉っぱと同じように、大きな葉っぱに食物を盛る習慣があったと考えられています。
5月〜6月ごろに小さくて黄色い花が咲き、その後に実を付け、10月ごろに成熟し、種子は焦茶色をしています。 続きを読む