色合い」カテゴリーアーカイブ

中国の五色(ごしき)。青、赤、黄、白、黒の五つの色を表す正色(せいしき)

古く中国では、青(藍)、赤(朱)、黄、白、黒(玄)の五つの色を「五色ごしき」としていました。

五色ごしきは、正色せいしきとされ、その中間の色は「間色かんじき」と呼ばれていました。

孔子こうしが、『論語』の中で、朱色しゅいろ(赤)に代わって紫色が喜ばれたことを嘆いていますが、これも正色せいしきから外れた色だからとも考えられます。
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山藍,ヤマアイ,青く変化した乾燥根

染色・草木染めにおける山藍(ヤマアイ)。山藍の特徴や分布、染色方法と歴史について

山藍(学名 Mercurialis leiocarpa) は、トウダイグサ科、ヤマアイ属の植物で、群をなして生い茂ります。

学名のMercurialis leiocarpaは、江戸時代の弘化こうか2年(1845年)にドイツ人のシーボルトが日本古来の資料をもとにして命名し、Mercurialisは、ギリシャ神話の女神である「マーキュリー」からとったもので、leiocarpaは「平滑な果実」の意味であるとされています。

トウダイクサ科の植物は有用なものが多く、パラゴムノキやマニホットゴムなど樹液から天然ゴムが採れたり、タピオカの原料になるキャッサバ、種子からひまし油が採れるトウゴマなど様々あります。 続きを読む

愛染明王(あいぜんみょうおう)とは?愛染明王が藍染・染色業者に信仰されるようになった理由

古くから、職人と呼ばれる手工業者たちは、守護をしてくれる神仏をまつっていました。

同業者同士で信仰のための組織である「こう」を結成する場合も、数多くありました。

こう」においては、神仏の信仰だけでなく、同業者同士、技術の向上や保護を目的に活動したり、互いの結束を強める役割もありました。

染色職人、とりわけ藍染に関わる人々は、仏教の愛染明王あいぜんみょうおうを信仰し、同業者が集って、「愛染講あいぜんこう」を結成していました。

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染色における抜染剤(Discharging agent)。還元抜染剤と酸化抜染剤について

抜染ばっせんには、白色抜染と着色抜染があり、いずれも防染とは逆で、あらかじめ染着ぜんじゃく(せんじゃく)している染料を分解して白地、もしくは別の色にしようというものです。

抜染ばっせんと漂白は、原理的には同じものであり、抜染剤には還元かんげん抜染剤と酸化抜染剤があります。

還元抜染剤(かんげんばっせんざい)

還元かんげん抜染剤には、亜鉛末あえんまつ(粉状の亜鉛)、亜硫酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイト類(ロンガリット、デクロリンなど)、塩化錫えんかすずなどがあります。

関連記事:染色におけるハイドロサルファイト(Hydrosulfite)とは?

木綿の白色抜染には、ロンガリットとデクロリンなどのハイドロサルファイト類が使用されるのが一般的です。

酸化抜染剤(さんかばっせんざい)

酸化抜染剤には、塩素酸塩や重クロム酸塩、フェロシアン化カリウムなどがありますが、酸化抜染剤は繊維を傷つける危険性がありますので、還元抜染剤の方がよく使用されます。

出雲祝風呂敷(いずもいわいふろしき)とは?出雲祝風呂敷の歴史や技法について

島根県の出雲いずも地方では、婚礼の際に、嫁入り風呂敷を持っていく風習が、古くから伝わっていました。

風呂敷といっても、一般的に使用されるような簡易な風呂敷ではなく、慶事けいじ(おめでたいこと)にふさわしい品格のあるものです。

出雲祝風呂敷いずもいわいふろしきとは、婚礼の際の嫁入りの際に、伝統的に用いられる筒引つつびき(筒描き)された藍染風呂敷のことを表します。 続きを読む

染色におけるハイドロサルファイト(Hydrosulfite)とは?

ハイドロサルファイト(Hydrosulfite)とは、亜ジチオン酸ナトリウム(化学式:Na2S2O4)の通称です。

ハイドロサルファイト(Hydrosulfite)は、乾燥状態では安定していますが、空気中の湿気を吸収して次第に分解していきます。

新くてさらさらしている状態のものであれば問題ありませんが、保管状態が悪いものや時間が経って古くなったものは、使用する際の効果が薄れてしまうため、注意が必要です。
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染色・草木染めにおける消石灰(しょうせっかい)

消石灰しょうせっかい(Slacked lime)は、白色に乾燥したアルカリ性粉末で、水酸化カルシウムの慣用名です。

水酸化カルシウムは、化学式 Ca(OH)2 で表されるカルシウムの水酸化物です。

消石灰しょうせっかいは、生石灰せいせっかい(酸化カルシウム)に適量の水を加えて処理(消化)したものです。

消石灰しょうせっかいは、水にわずかに溶け、水溶液は石灰水とよばれ、強アルカリ性となります。

空気中の二酸化炭素を吸収して炭酸カルシウムになるため、消石灰しょうせっかいを保存する際にはできる限り密閉することが、品質を保つうえでは大切です。 続きを読む

ネムノキ(合歓木)で染色した菜の花色

染色・草木染めにおけるネムノキ(合歓木)。ネムノキ(合歓木)の薬用効果について

ネムノキ(学名Albizia julibrissin)は、マメ科ネムノキ属で本州、四国、九州、琉球、朝鮮半島、中国の暖帯や温帯に広く分布しています。

葉は、1枚ずつが鳥の羽にそっくりな形をしており、葉柄の両側に小さな葉がいくつも連なっています。

ネムノキ(合歓木),Albizia julibrissin 'Boubri' 2020-07-18 01

ネムノキ(合歓木),Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

このような形状の葉は「羽状複葉うじょうふくよう」と呼ばれます。 続きを読む

【媒染剤】染色・草木染めにおける鉄漿(てっしょう)

鉄漿てっしょうは、古くから使用されてきた鉄媒染剤の一つです。

鉄漿てっしょうは、中国名で、古代において、黒染めの方法として中国から伝えられたものと考えられます。

タンニンに反応すると黒く染まるため、鉄漿てっしょうを、タンニンが多く含まれる五倍子ごばいしとともに用いたものがいわゆる「お歯黒」になります。 続きを読む