投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

デザインにおける幻獣(げんじゅう)。ペガサス、ケンタウロス、鳳凰(ほうおう)について

実際に存在はしないが幻とされる幻獣げんじゅうは、世界中で古くから人々の希望や願望をのせたものとして作り出されてきました。

ペガサスやケンタウロスなど日本人でも聞いたことがあるでしょうし、中国では鳳凰ほうおうなどが見て取れます。 続きを読む

馬酔木(あせび)の染色,アルミ媒染で赤茶色に染まる色合い

染色・草木染めにおける馬酔木(あせび)。歴史と馬酔木の毒性について

馬酔木あせび(学名 Pieris japonica D.don)は、ツツジ科の常緑低木で、日本固有の植物です。

属名のPierisは、ギリシャ神話の文芸、芸術、音楽をつかさどる神の名前に由来があります。

馬酔木あせびという漢字が当てられますが、中国名ではなく日本でつけられた名称です。

大体は2〜3メートルくらいの樹高ですが、大きいものだと5メートルほどにもなり、庭木としても使用されます。

3月から5月ごろ、小枝の先にスズランのような白色で、ツボ状の形をした花が密集してたくさん咲くのが特徴的です。

Pieris japonica Prelude 4zz

馬酔木,あせび,Pieris japonica,Photo by David J. Stang, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

馬酔木あせびは、園芸品種も様々あり、薄紅色の花を咲かせるアケボノアセビ、花の穂が長いホナガアセビ、葉にまだら模様が入っているフクリンアセビなどがあり、江戸時代終わりごろから欧米などの海外でも観賞用として栽培されるようになっています。

Pieris japonica 'Katsura' Pieris japoński 2019-04-06 01

馬酔木,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

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藤の葉で染色,銅媒染で金茶色に染めた色合い

染色・草木染めにおける藤(ふじ)

ふじ(学名Wisteria floribunda)は、日本の固有種で、マメ科フジ属のつる性落葉木本もくほんです。

藤の花が咲く時期は4月中旬~5月頃で、葉の展開からやや遅れて開花し、枝の先端に多数の蝶形花ちょうけいかを付けた花序かじょが垂れ下がります

藤棚ふじだなの伸びすぎた枝葉を剪定せんていした時に、その枝葉を染色に利用することもできます。 続きを読む

桃、灰汁・アルミ媒染、洗柿色(あらいがきいろ)

染色・草木染めにおける桃(もも)

桃(もも)(学名Prunus persica)は、バラ科スモモ属の落葉低木から小高木(樹高2m~3m)で、食用や観賞用として世界各地で品種改良されて栽培されています。

桜は、中国が原産といわれ、ヨーロッパへは紀元前1世紀ごろに渡来し、日本においても『古事記』や『日本書紀』に記載があり、果樹としての栽培は江戸時代になったから盛んになったとされています。

3月下旬から4月頃にピンク色から白色の花を咲かせ、八重咲種など観賞用の品種も古くからあり、果実がは6月〜7月ごろに熟します。

桃(もも)(学名Prunus persica),Prunus persica (200804)

桃(もも)(学名Prunus persica),E-190, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons,Link

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桜染め,アルミ媒染

染色・草木染めにおける桜(さくら)

桜は、古くから人々に親しまれてきました。

7世紀後半から8世紀後半(奈良時代末期)にかけてに成立したとされる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集まんようしゅう』には、4,500首以上歌が集められていますが、桜を詠んだ歌が非常に多く、「桜の花」、「桜花」、「山桜」、「山桜花」などとあり、40首が収められています。

ただ、桜が染色に用いられるようになったのは近年になってからと考えられます。

江戸時代には「桜鼠さくらねずみ」など色名がありますが、桜自体を使用したわけではなく、桜色がかった鼠色ねずみのことを指していると考えられます。 続きを読む

染色・草木染めにおけるマリーゴールド

マリーゴールド(学名:Tagetes)は、キク科でマンジュギク属の一年草で、広く園芸種として栽培されています。

草高は、15cm〜30cmに成長し、夏に分枝し、4cm〜8cmの頭状花とうじょうかをつけます。

マリーゴールドの名前で親しまれている植物には、アフリカン・マリゴールドとフレンチ・マリゴールドがあり、アフリカン・マリゴールドはメキシコ原産で、和名では、千寿菊せんじゅぎくまたは万寿菊まんじゅぎくといいます。

Tagetes-Marigold-Flower 08

マリーゴールド,Tagetes,Sabina Bajracharya, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおけるバラ(薔薇)

ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。

日本においても古くからバラが栽培されていたとされ、バラを描いた美術や工芸品も残っています。

バラ(薔薇),Rosa 'Karneol Rose' Rupprecht Radke 1964

バラ(薔薇),Geolina163, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

平安時代には、中国からコウシンバラ(庚申薔薇こうしんばら)が渡来していたと考えられており、「古今和歌集」や「枕草子」、「伊勢物語」や「源氏物語」などから、バラが観賞されていたことがわかります。

関連記事:デザインにおけるバラ(薔薇)

歴史的には、紅花べにばなのように花を染料にして染めことは行われてきましたが、バラの花びらを使った染色というのは、ほとんど行われなかったと考えられます。

一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました.

ただ、花びらを使用した染色において、バラの花が活用されることがあります。 続きを読む

染色・草木染めにおけるチューリップ

花を染料にして染める行為は、古くからおこなわれてきました。

特に有名なのが紅花べにばなで、赤系の色を染めるのに重要なものとされてきました。

紅花以外にも、杜若かきつばたや、はぎ露草つゆくさなどの花りであったり、槐花かいかえんじゅ)、金銀花きんぎんか(すいかずら)、向日葵ひまわりなども染料とされていました。

紅花染めが色の移ろいが激しい染料として、数々の歌にも読まれているように、一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました。 続きを読む

染色・草木染めにおけるサフラン

サフラン(学名 Crocus sativus)は、アヤメ科クロッカス属の植物で、そのめしべを乾燥させた香辛料もサフランと言われます。

サフランはクロッカスの仲間で、球根で生長する植物です。

食用のものをサフラン、観賞用のものをクロッカス(ハナサフラン)と分けたり、秋に花を咲かせる種類をサフランと呼び、春に花を咲かせる種類をクロッカスと呼んで区別することがあります。

サフランは、その大きな花びらと、花の中心部に目立つ鮮やかな黄色のおしべと紅赤の柱頭ちゅうとうをつけるめしべが特徴的で、1つの花に3本しかないその紅赤の柱頭ちゅうとう(めしべ)を1つずつ手で摘み取って乾燥させるため手間がかかり、古くから非常に高価な香辛料として知られていました。

サフラン,Crocus sativus - Saffron crocus - Safran 02

サフラン,Zeynel Cebeci, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

3000年以上前から香辛料、着色料、香味料として、世界中で幅広く利用されてきました。

日本において、サフランは江戸時代に漢方薬として日本に伝わり、明治半ば過ぎには大分県竹田が名産地となりました。 続きを読む