投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

クロム媒染とは?

天然染料および媒染ばいせん染料で染色する際に、媒染剤としてクロム塩を使用できます。

鉄や銅で媒染するより色が美しく、アルミニウムやすずを使用するより濃い色が染められるため、クロム媒染は多く使用されてきました。

木綿には塩基性クロムミョウバン、絹には塩基性塩化クロムや塩基性クロムミョウバン、羊毛(ウール)には、重クロム酸カリやギ酸などが使用されます。

クロム染料

クロム染料という言葉がありますが、クロム染料は酸性媒染染料の別称です。

酸性染料の性質を持ち、クロム塩で媒染したのち、クロム染料で染色するか、染色後にクロム塩で処理すると、レーキを形成し堅牢けんろうな染色が得られます。

蚕(かいこ)の繭(まゆ)。絹糸(シルク糸)の原料

シルク(絹)とは?シルクの性質と特徴、美しい光沢感をもつ理由について

シルクは、綿や羊毛(ウール)と違い、連続した細い繊維でできており、しなやかな感触と優雅な光沢感を持っています。

シルクを産出しなかったヨーロッパでは、シルクはシルクロードを通って遠く中国から運ばれ、同じ重さの黄金と同じ価格で取引されたと言われています。

人類は5000年以上も前から、マユを利用して糸をつくることを知っていたようですが、現代においては貴重で最高の繊維とされているシルクの特徴としては、さまざま挙げられます。 続きを読む

染色・草木染めにおける黄染(きぞめ)

黄色は、赤と青とともに三原色の一つです。

古代中国においては、一年を四季に分けて、春(青)、夏(朱)、秋(白)、冬(玄)としていましたが、時間が経つにつれ、五行説ごぎょうせつにしたがって黄色を中央に入れることになります。

つまり、夏を二つに分けて一年を五季として、春は青、夏の前半は朱、夏の後半は黄、秋は白、冬は黒(玄)の五つの色によって表すことにしたというわけです。

日本も初めは五行説ごぎょうせつの考えを取り入れましたが、奈良時代ごろには、黄色は無位無冠むいむかん(特別な地位がないこと)で一般民衆の服の色でもありました。

きんのことを黄金というのは、その色が黄であるということからきています。 続きを読む

甕覗(かめのぞき)。藍染された極めて淡い色合いである甕覗(瓶覗)

甕覗(かめのぞき)とは?藍染された極めて淡い色合いである甕覗(瓶覗)について

藍は、古くから世界各地で使用され、人々に一番愛されてきたともいえる植物染料です。

日本において、藍染された色は一番薄い藍白あいじろから、一番濃い留紺とめこんまで、「藍四十八色あいしじゅうはっしょく」と呼ばれるほど多くの色味があり、それぞれ名前がつけられていました。

それぞれの藍色に名前をつけて区別をしようと思えるほど、藍色を見る目を昔の人々が持っていた・・・・・・・・・・・・・・・ともいえます。

藍色のなかで、比較的有名なものに甕覗かめのぞき(瓶覗)という色名があります。 続きを読む

リップル加工(ripple finish)とは?シルケット加工とマーセリゼーション(mercerization)について

綿繊維は、苛性かせいソーダで処理すると収縮しゅうしゅく(縮む)する性質があります。

そこまで厚みのない平織りの綿織物に、強アルカリの苛性かせいソーダ(水酸化ナトリウム溶液)を含んだのりをプリントしたり、先に樹脂等で防染しておいてから苛性かせいソーダに浸けるかすると、苛性かせいソーダがついた部分が収縮して、その他の部分も自然な縮み方をします。 続きを読む

糊置きに使用する型ベラの種類

型紙を使用した捺染なっせんのりを置くために使用するヘラ(型ベラ)には、いくつか種類があります。

ヘラの種類としては駒ベラと出刃ベラ(横べら)、竹ベラやゴムベラなどあります。

駒ベラは、桜やひのきの板で作られ、横長の四角形で主に関西方面で一般的に型置きに使用されてきました。

出刃ベラ(横べら)は、ひのきで作られ、出刃でば包丁の形をしており、関東で主に使われてきました。

ゴムベラはひのきの板に厚さ3ミリ程度の合成ゴムをつけたもので、紗張しゃばり型の場合に主に使用されていました。

大島紬(おおしまつむぎ)

大島紬(おおしまつむぎ)とは?大島紬の特徴と歴史について

大島紬おおしまつむぎとは、平織りされた絹織物で、つむぎという名前が付いているように、もともとは手紡ぎされた絹糸が使用されていました。

また、車輪梅しゃりんばいで染色し、泥の鉄分で媒染ばいせんすることで絹糸が染められます。

きわめて細かな絣模様が表現される点も、大島紬おおしまつむぎがその名を知らしめる理由となっていました。 続きを読む

南部紫根染(なんぶしこんぞめ)

南部紫根染(なんぶしこんぞめ)とは?

四季のうつろい、地理的、歴史的、文化的背景などさまざまな影響を受け、日本の伝統色とされている色の名前は、非常に多くの種類があります。

数々の色の中でも、藍色、紅色、紫色の3つの色は歴史や色の豊富さなど、日本人にとってとりわけ関わりが深く、日本を代表する色であったといえます。 続きを読む