投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

染色・藍染におけるインド藍。インド藍の種類や歴史、染色方法について

インド藍(学名 Indigofera suffruticosa)は、熱帯地方に分布するマメ科コマツナギ属の藍色素を持つ植物から抽出した染料の名前でもあり、植物の名称でもあります。

日本の本土で古くから栽培されてきたタデアイ(くさの藍)に対して、木藍きあいと呼ばれたりもしました。

Indigofera tinctoria-2-papanasam-tirunelveli-India

インド藍,Indigofera tinctoria,Yercaud-elango, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおけるログウッド。世界最大の需要を誇った染料、ログウッドの普及と衰退の歴史

ログウッド(学名 Haematoxylum campechianum)は、マメ科の植物で、属名のHaematoxylumは、ギリシャ語でhaima(血液)とxylon(樹木)の二語から由来し、種名のcampechianumは、原産地がメキシコ湾のカンペチェ湾(Campeche)沿岸であることから命名されています。

血木と呼ばれるのは、材木を空気に酸化させると美しい赤褐色の色が出てくるためです。

原産地は、中米などの熱帯地方で、樹高は6〜12mほどになり、幹にはドゲがあります。

小さくて黄色い花が咲き、幹の中央部の心材しんざいが染料として使用され、青紫色の色素であるヘマトキシリンが含まれています。

Haematoxylum campechianum (Campêche)

ログウッド,logwood,Haematoxylum campechianum,Fpalli, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

ログウッド(logwood)は、国によって様々な名称があり、イギリスにおいてログウッドという名称がはじめて文献に現れたのは、1581年のことです。

17世紀の始め頃からヨーロッパの市場では、ホンジュラスのベリーズから産出するものとユカタン半島のカンペチェから産出するものの棲み分けがされていました。

カンペチェ産のものの方が、ホンジュラス産のものに比べて品質が優れているとされていたため、名称も区別する必要があったのです。

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板締め染め(plate resist dyeing)。染色技法における板締め(いたじめ)について

板締めは、布地に両面から板を当てて、きつく両側から固定することで防染し、模様を染める技法です。

日本で古くから行われてきた染色技法を表す言葉に、絞り染めの纐纈こうけち、ろうけつ染めの臈纈ろうけち、そして板締めの夾纈きょうけちがあります。

上記の三種類の技法は、「三纈さんけち」という言葉でまとめて表されます。 続きを読む

ファッション(洋服)の扱いにおけるイージーケア(easy-care)

ファッション(洋服)の取扱いに関して、「イージーケア(easy-care)」という言葉があります。

「ウォッシュ・アンド・ウェア(wash-and-wear)」、「ドリップドライ(drip-dry)」、「ノーアイロン(no-iron)/ノンアイロン(non-iron)」などが同義語になります。 続きを読む

ファッション(洋服)におけるアンサンブル(ensemble)

ファッション・服飾用語において、「アンサンブル(ensemble)」という言葉があります。

ファッション(服飾)におけるアンサンブルは、「調和、均整」に重点があります。

アンサンブルとは、組み合わせて着ることを前提としてつくられた衣服のことを表し、コーディネートした衣服が「揃っている」という意味に用いられます。 続きを読む

アランセーター(アイリッシュセーター)とは?アラン編みされた伝統的なフィッシャーマンズ・セーターについて

アイルランド西部のゴールウエー湾の沖で大西洋の荒波にもまれる「アラン諸島(Aran Islands)」は、編み物の歴史上、重要な役割を果たしてきました。

アラン諸島で作られるセーターは、「アランセーター(Aran sweater)」呼ばれ、アイルランドで作られていることもあり「アイリッシュセーター(Irish sweater)」とも呼ばれたりもします。

各港にはそれぞれ独自の伝統的なフィッシャーマンズ・セーターfisherman’s sweater(漁師が着用したセーター)があり、縄柄、ダイアモンド柄、ジグザグなど、凹凸のある大胆な模様を編み方が表現されていました。 続きを読む

科布(しなふ)(榀布)

科布(しなふ)とは?科布(榀布)の生産工程について

原始古代布といわれるものの一つに、科布しなふ(榀布)があります。

科布しなふは、東北地方の各地で昭和初期ごろまで盛んに織られていました。

藤蔓ふじつるで作る藤布ふじぬのくづつるで作る葛布くずふなどと同じように、科布しなふは1000年以上の歴史をもつ織物といわれています。 続きを読む

防寒の上着(コート)、アノラック(anorak)とは?

「アノラック」と呼ばれる防寒の上着(コート)がありますが、かつてはエスキモーの名前で知られた北アメリカ大陸の先住民であるイヌイット (Inuit) の衣服が原型となっています。

現代におけるアノラックとは、防寒・防雨・防風などの機能性を兼ね備えたフード付きの上着のことを表し、登山をはじめ、アウトドアに使用する衣服として一般的に着用されています。

アノラックという名前は、北大西洋のグリーンランドにいるイヌイットが、衣服のことを「アノラック(annoraaq/anoraq)」と呼んでいたことが由来とされます。

アノラック(anorak),Parka (Kamleika) Inuit

アノラック(anorak),No machine-readable author provided. Gaius Cornelius assumed (based on copyright claims)., Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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