編むとは何か?ニット製品の特徴と特性を理解するとおもしろい。


私たちの生活のなかに、ニット製品は当たり前のように溶け込んでいます。

たた、手編みのマフラーを編んだことがあるような人は、その原理がわかるかと思いますが、馴染みのない人にとっては、そもそもどうやって編むのか理解するのが難しかったります。

そもそも編むとはどういうことなのか、また織物と比較してどんな特徴があるのでしょうか。

編むとは?

「織る」というのは、経糸と緯糸を直角に組織して布にすることを言いますが、「編む」というのは、糸やひも状のものを一本ないしは何本も使って絡ませたり、格子状に組んだり結んだりして、布状のものをつくることすべてを表しています。

例えば、「マフラーを編む」「かごを編む」「網を編む」など、それぞれ違った技術を使うものが同じ「編む」という言葉で表現されていたりします。

本記事での「編む」は、輪っかのようなループを連続的につなぎ合わせて布にする技術についての書いています。

日本での編み物の歴史がスタートしたのは、1596年〜1614年の南蛮貿易時代と言われています。

関連記事:日本の編み物の歴史。南蛮貿易時代からニット生産の近代化、メリヤスからニットへ。

世界に目を向けてみると、エジプトは首都カイロの古代都市の遺跡から、二本針による靴下が発掘されたとあり、5世紀のエジプトでは、ループ編成をしたはき物が使用されていたというのは確かな事実なようです。

ニットの機械化

ニットの機械化は、1589年にイギリスはノッチンガムの牧師であったウィリアム・リーがひげ針を発明し、手動式の靴下編み機をつくったのが始まりと言われます。

その約200年後、1775年にイギリスのエドモンド・クレインがトリコット編機を発明し、経編みの機械化の先駆けとなりました。

1849年には、イギリスのマシュウ・タウンゼンドがべら針を発明し、この功績によってニット編み機は画期的な発展を遂げることになります。

産業革命では、紡績された織物の布が主役となり、ニットはあまり目立った存在ではありませんでしたが、ニットの技術も織物からはやや遅れる形ではありましたが急速に発展していきました。

経編(たてあみ)と緯編(よこあみ)

ニットには、編んでいく方向に対して、横方向に糸を進めて、連続したループをつくっていく緯編(よこあみ)と、縦方向の場合の経編(たて)と大きく二つに分類できます。また、緯編みという分類のなかに、円形状に編み針が並び、筒状に編んでいく丸編みがあります。

参照:ニットの編み方・組織

経編と緯編の特徴については、下記の記事が非常にわかりやすいです。

参照:経編(タテアミ)とは?

経編は緯編と比べると伸縮しづらい性質がありますが、生地がしっかりします。ただ、緯編よりは実用性が低いです。緯編は、ほどけやすくいですが、伸縮性に富み成形しやすいという特徴があります。

織物と比べたニットの特徴

①伸縮性が高い

ループが連続してつながっているので、外から力を加えると簡単に伸びます。経編は緯編ほど伸縮性はなく、織物と編み物の中間くらいなイメージです。

②糸と糸の隙間が大きい

ループが立体的に組み合わさっているので、糸と糸の間の隙間が織物に比べるとはるかに大きく多いです。

多くの隙間があることを「多孔性がある」といいますが、隙間があるということは、それだけ含まれる空気の量が多く、保湿性や素材の軽さにつながります。

③柔軟性がある

ニットは織物に比べると非常に柔軟で、ドレープ性に優れています。ドレープ(drape)とは、「(衣類、掛け布などを)優美にまとう」という意味で、衣類をまとうことによって自然にできた布のたるみやひだのことを、「ドレープ性が優れる」などといったりします。

④成形が可能なものがある

緯編では、編み地を増やしたり減らしたりして生地幅を変えたり、くっつけたりすることができるます。そのため、靴下やセーターなど、ほとんど最終的な完成形に近い形に編み上げてから、あとで部分縫製することができます。

⑤ほつれやすく、型くずれしやすい

緯糸は一部分が切れてしまうとループが縦方向にほつれていき、タイツをイメージするとわかりやすいですが、いわゆる「伝線」がしやすいです。経編の場合は、その心配はありません。

また、型くずれしやすいというのも特徴的です。特に、緯編の場合はループが自由な状態で組織されているため、外部の力によって形がくずれます。ニットをハンガーにかけていたら、伸びていたなんてことはよくあることです。

⑥縫製、裁断、仕上げが難しい

織物に比べると、縫製、裁断、仕上げが難しい点も、ニットを扱っているお店にとっては、悩ましい点です。

最後に

織物の良さと、編み物の良さ。どちらとも長所と短所があります。

その両面を知っておくだけで、普段目にする衣類に対する見方も変わってきたりしますし、衣類にまったく興味がないという人でも知っておく価値は大きいのではないかと思います。


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