防寒の上着(コート)、アノラック(anorak)とは?


「アノラック」と呼ばれる防寒の上着(コート)がありますが、かつてはエスキモーの名前で知られた北アメリカ大陸の先住民であるイヌイット (Inuit) の衣服が原型となっています。

現代におけるアノラックとは、防寒・防雨・防風などの機能性を兼ね備えたフード付きの上着のことを表し、登山をはじめ、アウトドアに使用する衣服として一般的に着用されています。

アノラックという名前は、北大西洋のグリーンランドにいるイヌイットが、衣服のことを「アノラック(annoraaq/anoraq)」と呼んでいたことが由来とされます。

アノラック(anorak),Parka (Kamleika) Inuit

アノラック(anorak),No machine-readable author provided. Gaius Cornelius assumed (based on copyright claims)., Public domain, via Wikimedia Commons,Link

防寒の上着(コート)、アノラック(anorak)

アノラックは、10世紀に西洋から北海のグリーンランドに進出したノルウェー人が「anorakk/anoraq」と聞いたものを経由し、1924年に文献に初出しています。

アノラックの特徴

本来のアノラックはトナカイ(カリブー)や白熊、アザラシなどの毛皮を使用したコート型の上着で、フードが付いているのが特徴的です。

毛皮も、毛並みがある方を内側にして、保温効果を高めるように使用していました。

動物の革は機能性を高めるために、ナイフなどで革に付いている肉を取り切った後に、女性が自らの歯で丁寧に噛んで柔らかくするという独特ななめしの方法がとられていました。

西洋では、1920年頃、ノルウェー人がイヌイットが着用しているアノラックを真似して、防水したでスキーウェアとして用いたのが最初とされます。

1924年にイギリスのエベレスト登山隊がアノラックを真似した衣服を用いてから、一般的に普及していきました。

スポーツウェアとしてのアノラック

現在のアノラックは、スキーや登山、釣りなど防寒・防雨・防風用のスポーツウェアやダウンウェアとしての防寒コートなどとして用いられています。

革で作られることは少なく、アノラックをイメージして作られた衣服が「アノラック」と呼ばれ、販売されています。

アノラックに使用される素材は、綿布、中綿を入れたキルティング生地や、裏地に毛皮を張ったものなどさまざまです。

化学的に合成されたナイロン、ポリエステルなども使用されますが、アノラックは耐水性があり、比較的軽くで、丈夫な素材が使われるのが一般的です。

着丈は、ウェストまでのものや腰下、膝下などさまざまです。

「アノラック」として扱われるものに近い衣服としては、「パーカー」や「ウインドブレーカー」、「ウインドチーター」、「ヤッケ(ウインドヤッケ)などがあります。

アノラックドレス

アノラックの形を取り入れて、フードの付いたドレスのことをアノラックドレスといいます。

 


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