「縑」は、細かく固く織られた絹布を表します。
中国の後漢末ごろに記された『釈名』には、縑の緻密さを「細緻にして水を漏らさず」と表現しています。
細密に織られた絹布である縑(かとり)
「縑」は、太い糸で織った粗末な絹布を表した「絁」の対義語となります。
『日本書紀』には、神功皇后の時に、古代の朝鮮半島南東部にあった国家である新羅から貢がれたとあります。
『魏志倭人伝』には、三世紀初めに「絳青縑」を日本から魏の使者に贈ったことが記されています。
平安時代には、縑は、装束に仕立てるための布に用いられていました。
縑の組織は、後世の羽二重に似ています。
羽二重は、羽二重経といって2本引き揃えた生糸を経糸に用いています。
【参考文献】『月刊染織α1991年4月No.121』