投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

アールヌーボー(Art Nouveau)とは?アールヌーボーの特徴と、それに続くアールデコ(Art Deco)について

アールヌーボー(仏:Art Nouveau)は、19世紀末期から20世紀初頭(1890年頃〜1905年頃)にかけてヨーロッパ主要地域でおこった美術、デザインの新様式運動のことを表します。

フランス語でアール(Art)は「芸術」、ヌーボー(Nouveau)は「新しい」という意味で、直訳すると「新芸術・ニューアート(new art)」になります。

語源としては、ドイツのハンブルク出身の美術商人で、日本や東洋の美術品を扱っていた「サミュエル・ジークフリート・ビングSiegfriedBing(1838年〜1905年)がパリで開店した工芸品店の名前が「Maison de l’Art Nouveau(Art Nouveau)」であったことに由来しています。

サミュエル・ジークフリート・ビング(SiegfriedBing)(1838年〜1905年)S. Bing en kimono

サミュエル・ジークフリート・ビング(SiegfriedBing)(1838年〜1905年),Unknown (before 1895), Public domain, via Wikimedia Commons,Link

英語では、モダンスタイル(modern style)とも言いましたが、「Art Nouveau」としても1901年に文献に初出しました。 続きを読む

襦袢(じゅばん)とは?重ね着するために汗取りや保温目的に使用された和服の下着

襦袢じゅばんは、和服の下着を表します。

語源はアラビア語の「jubbah(ジュバ)」で、「jubbah」はアラビアなどのイスラム教徒が着る袖の長いゆったりしたコートのような長衣です。

アラビア語の「jubbah(ジュバ)」が、変遷へんせんをたどってポルトガル語の「gibao(ジバン)」になりました。

16世紀、日本に来航したポルトガル人が着ていた「gibao(ジバン)」は、丈が短い「袖付きの胴着」のようなだったとされます。 続きを読む

ラペット織り、ドビー織り、ジャガード織りとは?紋織り(もんおり)の種類について

もん織りという言葉は、平織り、あや織り、朱子しゅす織りなどの異なる組織や、異なる色糸を組み合わせることによってできる織物の総称として使用されます。

もん織りの種類には、ラペット織り、ドビー織り、ジャガード織りなどがあります。
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ファッション・服飾におけるシック(chic)

シック(仏:chic)という言葉は、①しゃれた、粋な、あか抜けた②上品、優雅③現代風④流行などの意味があります。

「エレガント(仏:elegant)」の同義語として用いられることがありましたが、厳密に言えばシック(chic)とエレガント(elegant)は歴史的には異なります。 続きを読む

織物におけるシフォン(chiffon)

織物におけるシフォン(chiffon)は、一般的なものよりも薄くて柔らかい平織りの織物を表します。

代表的なものに「シフォンベルベット」、「シフォンタフタ」、「シフォンクレープ」などがあります。

語源は、古フランス語の「chipe=(布の)切れ端、ボロ(襤褸らんる)で、フランス語の「chiffe=襤褸ぎれ」、「chiffon」を経由して、1756年に「絹モスリン、飾りレース」という意味で文献に初出しています。

フランス語におけるシフォンは、①襤褸らんるぎれ、②雑巾③(しわくちゃな)布・衣類・紙③断ちくずなどの意味があります。

ファッション・服飾におけるシースルー(see-through)

ファッション・服飾におけるシースルー(see-through)とは、「see(見える)」と「through(通り抜けて・貫いて)」から成る語で、1945年に文献に初出しています。

シースルー(see-through)は、「透けて見えること」や、「透けて見える衣服やその装い」などを表します。 続きを読む

織物におけるサテン(satin)とは?サテン・朱子織(satin weave)の特徴(メリット・デメリット)

サテン(satin)とは、朱子織(satin weave)による織物を表します。

漢字では本来「繻子しゅす(薄い絹織物)」と書きますが、その音を当て字した「朱子」と書く場合が多いです。

サテンは、経糸、あるいは緯糸のいずれか一方が表面に浮き出している組織で、糸が飛んで長く浮いているので、布に光沢感となめらかさが表現できる一方、摩擦に弱いという欠点があります。 続きを読む

和更紗

和更紗(わさらさ)とは?日本における更紗について

更紗さらさとは、16世紀以降、ポルトガルやオランダ、イギリスなどのいわゆる南蛮船なんばんせんが運んできた、インドや東南アジアの模様染めされた布を指して呼ばれたものです。

更紗さらさは「紗羅紗さらさ」や「皿更さらさ」、「華布かふ(印華布)」とも書かれ、現在のタイの呼び名であるシャム辺りから渡来したとされたため、や「紗室染しゃむろぞめ」などとも言われていました。

今日における更紗さらさといえば、木綿に東南アジアやインド的な模様を細かく模様染めされた布を指していることが多いです。 続きを読む