ガマズミ(学名Viburnum dilatatum)は、レンプクソウ科(スイカズラ科)ガマズミ属で樹高が2〜3mになる落葉樹で、日本各地で自生しています。
Viburnumはラテン語でガマズミの古名に由来するといわれ、dilatatumは「広がった」の意味があり、葉っぱの形に由来します。
江戸時代の薬物についての知識をまとめた本(本草書)には、ガマズミの漢字は、「莢蒾」と記載されています。
莢蒾の莢は「豆類の種子を包む殻」を表し、「蒾」は「染め」を意味します。 続きを読む
ガマズミ(学名Viburnum dilatatum)は、レンプクソウ科(スイカズラ科)ガマズミ属で樹高が2〜3mになる落葉樹で、日本各地で自生しています。
Viburnumはラテン語でガマズミの古名に由来するといわれ、dilatatumは「広がった」の意味があり、葉っぱの形に由来します。
江戸時代の薬物についての知識をまとめた本(本草書)には、ガマズミの漢字は、「莢蒾」と記載されています。
莢蒾の莢は「豆類の種子を包む殻」を表し、「蒾」は「染め」を意味します。 続きを読む
草木染めを行う際、乾燥保存してある材料を使用して染める場合と、採取したばかりでまだ乾燥していない植物を使用して染める場合とで大きく2パターンあります。 続きを読む
窠に霰文(かにあられもん)は、有職文様のひとつで、霰の地紋、すなわち石畳文の上に、窠文を互の目、あるいは並列に配したものです。
有職文様とは、平安時代以降の公家社会において装束や調度、輿車、建築などに用いられた伝統的な模様(文様)で、窠に霰文(かにあられもん)も平安貴族の服飾に多く用いられたとされます。 続きを読む
ファッション・衣服を選ぶ際や、実際に着用する場面において、機能性の観点から理解しておくと良いポイントがあります。 続きを読む
江戸時代に出版された書物である『女鏡』(上中下3冊)には、冠婚祝賀の心得や礼儀作法、服装、化粧、その他江戸時代の婦女子の躾の全般にわたる事項を、多数の挿絵が添えてながら記されています。
そのうちの一項目である「小袖めす模様の事」の項に、衣桁(着物を掛けておくために用いる、鳥居のような形をした衣裳掛け)にかけて表した式色服と12ヶ月の小袖模様(文様)十六図があります。
小袖とは、現在の「きもの」の原型にあたるもので、その名の通り、袖口が狭く詰まった仕立てになっています。
『女鏡』は、いわゆる雛形本と同じ形式で小袖模様(文様)が表現されているため、雛形本の先がけともいえます。
雛形(ひいながた)は、ある物や模型や図案、模様などを人に示すのに都合が良いように、その形を小さくかたどって作ったもので、雛形本とは、本のようにまとまったデザイン集のようになっています。
江戸時代から明治時代にかけての建築や指物(金属で作った釘を使わずに組み立てられた木工品・家具)、染織などの分野で雛形本が作られました。
関連記事:雛形本(ひながたぼん)とは?染織におけるデザインの見本帳について
『女鏡』は、慶安5年(1652年)に山本長兵衛によって改訂版である『女鏡秘傳書(じょきょうひでんしょ)』が出され、万治3年(1660年)版では、『女諸礼集』と改題され、この後にも数冊、本の体裁や内容の一部を変更するなどしてしばしば刊行されました。
ただ、小袖の模様(文様)に関する項目は、寛文(1661年〜1673年)以前の版も、その後のものも変化がありません。
各模様(文様)は、式色服に小柄な鶴亀松竹の吉祥文様(縁起がいいとされる図柄)がベタ付けしてあるほか、四本の平行線で囲まれた四辺形を基本とする幸菱や杉綾などの縞模様(縞文様)があります。
12ヶ月の小袖模様(文様)には、雲や波、雁木形などの模様を、デザインの区画を構成するための素材として使用しています。
その他、月名や季節を示す決まりの植物や郭公などの動物、氷や雪などの文字を共に配し、大胆に構成されたものが多くあります。
慶長の頃の模様(文様)は、抽象的なイメージから具体的なものへと移っていく過渡期において、すでに寛文の模様様式を感じられます。
注記してある地色名は、以下の通りです。
亀甲模様(亀甲文)は、正六角形の幾何学模様で、亀の甲羅の形に似ていることから「亀甲」の名前があります。
中国では亀が瑞兆(良い事が起こる前兆)とされ、古代中国の経書である『礼記』には、想像上の霊妙な四種の瑞獣を表し、「麟鳳亀竜」との記述があります。
麟鳳亀竜は、麟(麒麟)・鳳(鳳凰)・亀(霊亀)・竜(応竜)を表します。
日本にも中国からの思想が伝わり、亀のデザインが瑞祥の模様(瑞祥文)として好まれました。 続きを読む
和服・着物における帯は、主に和服の胴部分に巻きつけて、着物がはだけるのを防いだり、下半身に着用している衣服がずり落ちないようにしたりする役割のものをいいます。
かつては帯で武器などを体に固定しておいたり、権威などの象徴として装飾的な性格も持っていました。 続きを読む
沢瀉(オモダカ)は、日本各地の低地の水田やため池、用水路などに見られる多年草です。
葉は根元にまとまってつき、長い葉柄がある独特の矢じり形をしていることから、「勝軍草」とも呼ばれ、武士に愛されていました。
人の顔に似た葉を高く伸ばしている様子を指して「面高」とされたともいわれ、「面目が立つ」(名誉が傷つけられずに保たれる・顔が立つ)という語にも通じています。 続きを読む
日本の古代の人々は、草木が成長し花が咲き、果実が実るのは、草木に宿る精霊(木霊)の力であると信じ、草木からとれる自然の色で、衣服を染めつけていました。
強い精霊の宿るとされる草木は、薬用として使用され、薬草に宿る霊能が、病気という悪霊によって引きおこされた病状や苦痛を人体から取り除き、悪霊をしりぞける作用があるとされていたのです。
日本の染色技術が飛躍的に発展するのは、4世紀ごろに草花から染料を抽出し、これを染め液として、浸して染める「浸染」の技術が中国から伝わってきてからとされます。
もっとも原始的な染色方法に、植物を生地に直接こすりつけて色を染め付ける「摺り染め」があります。 続きを読む
浮世絵版画において、特徴的な色として露草を原料にした青があります。
露草は、夏の暑い時期に青い花を咲かすツユクサ科の一年草です。
別名を、月草や蛍草などともいいます。
英語名では、「Dayflower」と表記し、花が咲いてからわずかな時間でしぼんでしまうという特徴が名前からもよくわかります。
古くから日本では、この露草を原料にした青色が使用されていました。
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