本書は、古代の人々の心の遺産とも言うべき日本民族本来の、色彩と染を研究し、現在の多くの人々に、古代から伝承されて来た色彩の実態についての理解を得ようとするために執筆したものである。
前田雨城氏の著書、『日本古代の色彩と染』のまえがきには、上記の言葉があります。
この本は、なかなか安く出回っていないのですが、前田氏の集めてきた知識と実際の経験からの得た色について学べ、日本の古代における染色やその歴史について興味のある方にとっては読む価値が十二分にある本と言えます。 続きを読む
「寿」という漢字は、長寿を意味し、瑞祥(めでたいことが起こるという前兆)を表します。 続きを読む
型染めにおける地張りから糊置きまでの工程については、以下のような流れとなります。 続きを読む
烏帽子とは、冠に次ぐ男子の被り物です。 続きを読む
ウコン(鬱金)は古くから鬱金染として、黄色の染料に使用されました。
ウコン(鬱金)はみょうがに似た地下茎で、クルクマとも言います。
日本においては、もともと中国からウコンが移植され、栽培が行われてきました。
漢方薬として、止血剤、尿血、胆道炎等に使われていましたが、食品の黄色づけにも古くから使用されています。 続きを読む
七福神のうちの一つの神様である恵比寿天を模様化(文様化)したの(恵比寿文)は、古くからデザインに取り入れられてきました。
七福神とは、大黒天、毘沙門天、恵比寿天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の七つの神様の総称です。 続きを読む
日本において、古くから色のついた紙が漉かれていました。
紙を染めるためには、さまざまな方法がありますが、漉染め、浸け染め、引き染め、吹き染めの大きく4つに分類できます。 続きを読む
染色において、江戸茶色という色名があります。
江戸茶色は、江戸で好まれた黄味の暗い茶色を表します。 続きを読む
日本において薄紫色に咲く竜胆は、古くから人々に親しまれてきた植物です。
昔から人々に特に愛された植物は、デザインに際して模様化(文様化)されてきましたが、竜胆は平安時代から染織デザイン(衣服の文様)において好まれていました。 続きを読む
中国、明代の第3代皇帝である永楽帝が在位していた期間である永楽年間(1403年〜1424年)に鋳造されたはじめた銅製銭貨である永楽通宝は、日本では室町時代に日明貿易や倭寇(朝鮮および中国大陸沿岸に出没した海賊)によって大量に輸入され、江戸時代初期まで一般通貨として流通していました。
永楽通宝は、「永楽銭」や「永銭」などと呼ばれていました。
寛永13年(1636年)、徳川幕府は寛永通宝(日本の江戸時代を通じて広く流通した銭貨で幕末まで作られた)を鋳造しはじめ、寛文年間以降全国的に流通し始めると、それまで流通していた永楽通宝(永楽銭)や渡来銭などの旧銭は次第に駆逐されていきました。 続きを読む