デザインにおける秋草文(あきくさもん)


秋草文(あきくさもん)、秋の野に咲く草花の風情を文様化(模様化)したもので、伝統的な着物の文様(模様)としても知られています。

デザインにおける秋草文(あきくさもん)

秋草文あきくさもんは、万葉まんようの時代(629年から759年ごろ)以来の秋の七草に、平安時代にはきくも加えられ文様化(模様化)されました。

安土桃山時代(1568年〜1598年)の「高台寺蒔絵こうだいじまきえ」を見ると、写実的で優美な秋草文が描かれています。

蒔絵まきえとは、うるしで絵を描き、乾かないうちに金粉きんぷんなどをく、日本独自の漆工芸うるしこうげいです。

高台寺蒔絵こうだいじまきえは、漆塗りの平面に金粉や銅粉をいて描いた「平蒔絵ひらまきえ」という技法で作られており、安土桃山時代を代表する作品です。

染織品では、江戸時代の友禅染ゆうぜんぞめ唐織からおり(色糸に金銀を交えて絵文様を織り出した織物)などに多くみられます。

江戸時代に作られた「唐織 浅葱金茶段秋草文様あさぎきんちゃだんあきくさもんよう」や、絵師の尾形光琳おがたこうりん(1658年〜1716年)によって描かれた「白綾地秋草模様描絵小袖しろあやじあきくさもようかきえこそで冬木小袖ふゆきこそで」も有名です。

秋草とちょうを組み合わせた模様は、能装束のうしょうぞくに好まれ、「唐織からおり 紅白段菊薄蝶模様こうはくだんきくすすきちょうもよう」はその一つです。

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