絞り染めとは、部分的に布に染まらない部分を作る防染の技術です。
布の一部を糸で強く巻き締める「巻き締め」や、針と糸で布を縫い、その糸を引き締めることによって防染する「縫締め」と呼ばれるものが基本的な技法です
絞り染めとは?
日本においては、奈良時代の最盛期にあたる天平時代(729年〜749年)にすでに行われていた纈、目交、目結などと呼ばれたものです。
日本で古くから行われてきた三種類の染色技法をまとめて表す言葉に「三纈」がありますが、板締めの夾纈、ろうけつ染めの臈纈、そして絞り染めは纐纈がそれに含まれます。
平安時代頃には、絞りは目纈(めゆい)、纈帛(ゆはた)、括染、くくし染、結幡、目染、取染、目結(めゆい)などと呼ばれていました。
室町時代末期から安土桃山時代(1573年〜1603年)にかけて流行した文様染めで、日本の染め物を代表するものである辻が花は、幻の染物と呼ばれ、その基本的な技法は絞り染めです。
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絹地に絞りを施したもので代表的なのが京鹿子で、麻布や木綿を絞ったもので特に有名だったのが有松・鳴海絞りです。
東海道五十三次の宿場町であった鳴海宿で道中土産として売り出された有松鳴海絞りは、江戸時代初期におこった木綿の藍染絞りを特色として発達していきました。
江戸時代には、鹿子絞りが全盛期となり、しばしば奢侈禁止令の対象になっていました。
絞り染めは、古代中国をはじめ、中南米、インドネシア、インド、タイなど世界中で行われ、その技法は単純ではありますが、絞り方にはさまざまな種類があるのです。