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井桁絣(いげたがすり),型染と併用した経緯絣

日本における染色と色彩の歴史。日本の伝統色や色名について

四季のうつろい、地理的、歴史的、文化的背景などさまざまな影響を受け、日本の伝統色とされている色の名前は、非常に多くの種類があります。

数々の色の中でも、藍色、紅色、紫色の3つの色は活用されてきた歴史や色の豊富さなどをみると、日本人にとってとりわけ関わりの深かった色とも言えます。

古来、日本人は、色彩や色の表現について特別な感情や独自の感性を持っていたとされます。

古代の人々は、草木にも霊があると考え、草木の霊は特に「木霊こだま」と呼ばれ、一番身近に存在する「和霊にぎたま」としてとらえていたとも言われています。 続きを読む

ヨーロッパで栽培された藍の品種であるウォード(woad)

ヨーロッパの藍染におけるウォード(Woad)

大青たいせい(漢名:大藍・菘藍)は、アブラナ科に属し、中国が原産地とされ、享保きょうほう年間(1716年〜1735年)に日本に渡来したとされます。

ヨーロッパからシベリアのバイカル湖付近にまで分布するといわれるアブラナ科の越年草である細葉大青ほそばたいせい(学名:Isatis tinctoria)は、英名ではWoad(ウォード)と言われます。

同じ藍の色素を持つ植物でも、蓼藍たであいインド藍琉球藍りゅうきゅうあいなどとは品種が違い、ウォードはアブラナ(菜種菜なたねな)によく似た大きな草です。

古代エジプトで行われていた藍染の原料となったのは、アブラナ科のウォードだと考えられています。 続きを読む

縹色、花田色の色合いの例

藍染された色合いである縹色(はなだいろ)・花田色

藍は、古くから世界各地で使用され、人々に一番愛されてきたともいえる植物染料です。

日本において、藍染された色は一番薄い藍白あいじろから、一番濃い留紺とめこんまで、「藍四十八色あいしじゅうはっしょく」と呼ばれるほど多くの色味があり、それぞれ名前がつけられていました。

それぞれの藍色に名前をつけて区別をしようと思えるほど、藍色を見る目を昔の人々が持っていた・・・・・・・・・・・・・・・ともいえます。

日本の伝統色とされる数々の色の中でも、藍色、紅色、紫色の3つの色は歴史や色の豊富さなど、日本人にとってとりわけ関わりが深く、日本を代表する色であったといえます。

藍染で濃く染めることによって布自体の丈夫さが高くなり、また縁起の良いものとされていたため、古く、武将が好んで濃色に藍染された衣類を着用していました。

一方、藍染された淡い色も人々には好まれ、京都においては「京の水藍みずあい」という言葉が江戸時代の文献に残っており、色合いがあざやかで品質が高かったとされ、水藍の色は京浅葱きょうあさぎ(淡い水色)とたたえられていました。 続きを読む

デザインという概念・思想のはじまり。デザインの本質は、モノに意味を与えること

デザインという概念の発生は、社会思想家のジョン・ラスキンや思想家であり芸術運動家であったウィリアム・モリスの思想がその源流として考えられています。

19世紀半ば、イギリスで産業革命がおこります。綿織物の製造における紡績機の開発、製鉄業の成長、蒸気機関の開発による動力源の改革、蒸気船や鉄道が発明されたことによる交通革命等、人の手ではなく、産業機械の発明と発展が大きく経済を動かし始めたのです。

初期の機械生産は、いいかげんで大ざっぱなものづくりであり、品質的には人の手が生み出すものと比べると、非常に劣るものでした。

そんな中、異常な速度で「下手なもの」が量産されていき、伝統的に手仕事が育んできた生活や文化、美意識をも奪っていくような機械生産に、意義を唱える人々も少なくありませんでした。

その代表的な人物が、ジョン・ラスキンとウィリアム・モリスです。 続きを読む

デザインにおける貝文(かいもん)・貝尽模様(かいづくしもよう)・貝尽文(かいづくしもん)

貝文かいもん(貝模様)は、帆立貝(ホタテ)や蛤(ハマグリ)、栄螺(サザエ)などの貝の模様(文様)を単独で用いたり、貝尽くしや海辺風景の一部などにしてデザインに使用されてきました。

沖縄の紅型びんがたには、紅葉や花と共に貝を散らした例が多くあります。 続きを読む