ウォッシュアウト(wash-out)という言葉は、①洗濯して色褪せる②疲れた、やつれた③(洪水などで)崩壊したなどの意味があります。
ジーンズやデニムにおいて、ウォッシュアウト(wash-out)という加工があります。
ウォッシュアウト加工(wash-out)とは、その言葉の意味の通り、洗濯して色褪せを表現することです。
ウォッシュアウトジーンズ(wash-out-jeans)
ジーンズ製品はあらかじめ石鹸などで洗う加工をし、新品の状態で色褪せ(wash-out)させた風合いを表現した商品が多いです。
ウォッシュアウト(wash-out)加工を行い、洗いざらされ使い古した感じが表現されたジーンズ製品を総称して、「ウォッシュアウトジーンズ(wash-out-jeans)」などと言います。
「ウォッシュアウトジーンズ(wash-out-jeans)」は、「洗いジーンズ」、「ウォッシュジーンズ」、「ブリーチジーンズ」などと同義語となります。
色落ちさせる風合いや使用する薬品、方法によって「スノーウォッシュ」、「フェードアウト」、「ブリーチアウト」、「ケミカルウォッシュ」、「ストーンウォッシュ」などがあります。
ノンウォッシュジーンズ(non-wash-jeans)
ウォッシュアウトジーンズ(wash-out-jeans)の対義語として、洗いの加工を行わない普通のジーンズは、「ノンウォッシュジーンズ/ノンウォッシュデニム」やいわゆる「生デニムと呼ばれる「リジットジーンズ(リジットデニム)」などと表現されます。
ノンウォッシュジーンズ(Non-Wash-jeans)は、新品の状態でまったくダメージがなく、まっさら綺麗な状態なので、着用しながら自分好みに色落ちを楽しんだり、着用するクセから自分だけの色落ちを楽しむことができます。
生地の織り上げられ方(綾織りの向き)によっても色落ちの具合が変わる
デニム生地は、経糸に色糸(インディゴ染めをされた太番手の糸)を使用し、緯糸には経糸より少し細い白く晒された糸を使用します。
デニム(denim)とは生地の名前であり、綾織りで織られた厚手の綿織物を指します。
綾織りにも左右の向きがあり、織物の表に見える畝が右肩上がりになっているのが右綾で、畝が左肩上がりになっている左綾です。
右綾は、生地が伸びにくい特徴がありますが、色落ちに関しては、右綾の方が、落ちやすいようです。
畝が左肩上がりになっている左綾は、右綾に比べると糸の織り込みがいくらか甘くなり、生地の風合いが柔らかく、体に馴染みやすいのが特徴としてあります。
有名デニムブランドの生地においては、リーバイス(Levi’s)は右綾、ラングラーやリーは左綾となっています。
ちなみにジーンズ(jeans)は、デニム生地を主に使用して作られたパンツのことを指しますが、デニムという言葉も、生地そのものから解釈が広がり、デニム生地で作られた衣類を表すようにもなりました。
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【参考文献】藤原裕(著)『教養としてのデニム』