黒地孔雀羽文錦陣羽織

デザインにおける孔雀文(くじゃくもん)

孔雀くじゃくは、鳥の中でもその姿や色が美しいため古くから世界各国で愛好され、デザインにも用いられてきました。

中国は漢代頃に彫刻された画像石がぞうせき(平板な石材に線刻や浮彫で様々な画像を表したもの)に、孔雀くじゃくの模様(文様)があったり、キリスト教においては、孔雀くじゃくは「不死の意」を表すとされていました。 続きを読む

組紐(くみひも)に歴史と技法。高麗組(こうらいぐみ)について

組紐くみひもとは、数本から数十本の糸を一束とし、それを幾束か一定方式で斜めに交差させながら紐状に組んだものです。

高麗組こうらいぐみと呼ばれていたものは、刀の下緒さげお(日本刀のさやに装着して用いるひものこと)に多く用いられていた組紐くみひもです。

組紐くみひもの生産は、伊賀上野いがうえのと京都が2大産地として有名でした。 続きを読む

紅板締め,竹梅文,紅花染め

染色・草木染めにおける紅花(べにばな)。薬用効果や歴史について

紅花べにばな(学名:Carthamus tinctorius)は、キク科ベニバナ属で花弁かべんを植物染料にします。

秋に種をまいて、冬を越して春になってから開花、結実してから枯れる越年草えつねんそう(二年草)として生育したり、寒い地域では一年草として春早い時期に種をまく場合もあります。

紅色の染料としての用途のみならず、食用油の原料としても栽培されています。

紅花,Carthamus tinctorius 050709b

紅花,Carthamus tinctorius,Pseudoanas, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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ものづくりにおけるギルド(Guild)

ギルド(Guild)とは、中世のヨーロッパの都市で発達した親方、職人、従弟じゅうていからなる商工業者の特権的同業団体を表します。

商工業の同職仲間(同じ仕事をしている仲間)であるギルドと同じような団体は、中世のイスラム世界や中国、日本など世界中の国々においてもみられました。 続きを読む

古代ギリシャにおける染織と服飾

古代ギリシャは、他国との交易が盛んに行われ、染織品においても麻織物を生産したエジプトや西アジアの毛織物などの影響を受けていたと考えられます。

古代ギリシャ時代の染織については、その遺品を見ることができないため、壁画や彫刻などに表現されている服装や古文書における記述、周辺地域の状況などから推測するしかありません。 続きを読む

「金銀襴緞子等縫合胴服(きんぎんらんどんすとうぬいあわせどうふく)」伝 上杉謙信 上杉景勝所用/上杉神社

布の切継ぎ(きりつぎ)・裂仕立・縫合せ、寄裂文様について

色や柄の異なる二種類以上のきれを接ぎ合わせて一枚の衣服を仕上げる手法を「切継ぎ」や「裂仕立」、「縫合せ」などといいます。

布の接ぎ合わせ方には、布目を合わせて細かく返し針で縫っていく方法や、つなぎ合わせる部分に別の布を細かく挟んでパイピングのようにする方法などがあります。
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ファッション・服飾におけるキルト(quilt)の特徴や歴史。キルティング(quilting)のメリットとデメリットについて

キルト(quilt)とは、2枚の布の間に綿(ワタ)や毛、羽毛などの詰めものをいれ、そのままでは中で詰めものがズレてしまうため、表から要所に抑え縫い(キルティング(quilting))している生地を表します。

縫い合わせた生地を、「キルティング(quilting)生地」ともいい、基本的には「キルト」と「キルディング」の用語には違いはありません。 続きを読む