オットマン(ottoman)とは?畝(うね)のある平織りされた織物について


織物には基本とされる構造があり、ひら織り、あや織り、朱子織しゅすおりは、三原組織さんげんそしきと呼ばれています。

織りの三原組織さんげんそしきの基本をベースにして、そこから変化を加えることでさまざまな織りの模様を表現できます。

オットマン(ottoman)とは?

オットマン(ottoman)とは、平織りに製織せいしょくしたもので、細い経糸に対して太い緯糸を2本以上打ち込まれた織物です。

経糸に細番手ほそばんでの糸を打ち、緯糸に太番手ふとばんての糸2本以上を引き揃えて織り上げることで、緯畝よこうねが大きく幅もあり、はっきりとうねの盛り上がりが表現されます。

横に伸びるうねが非常に厚く、丸みがあるのが特徴で、「うね織り」とも呼ばれます。

オットマン(ottoman)の由来

オットマン(ottoman)は、15世紀ごろに現在のトルコ共和国(Republic of Turkey)で多く作られた織物で、当時の呼び名である「オスマン(オットマン)帝国」の名前が由来となっています。

オスマン帝国は、イランにいたトルコ系遊牧民の一部が「オスマン(在位1229年〜1325年)」という人物を中心として、アナトリア(トルコ中部)に侵入して建国したのが国の始まりとされます。

1453年には、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を征服して大帝国となりました。

その後、600年以上にわたって中東を支配してきたオスマン帝国は、1922年に滅亡しました。

オスマンの名前は、アラビア語の「uthman」で、イタリア語の「ottomano」、フランス語の「ottoman」を経由して、1585年に「オットマン(ottoman)=オスマンの」として文献に初出しています。

それに由来する語として、「ottoman」の形で1806年に「背もたれのない厚く詰め物をした長椅子ながいす」、1883年に「織物」の意味で文献に初出しています。

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