ファッション」カテゴリーアーカイブ

エポレット(epaulet)とは?トレンチコートなどに見られる肩章(けんしょう)について

エポレット(epaulet/epaulette)とは、トレンチコートやカジュアルなジャケットなどに見られる肩章けんしょうのことで、肩線に取り付けた細くて平たい布を表します。

肩章けんしょうとは、制服や礼服などの肩の線に沿って装着される細長い布やモールなどでできた付属品で、官職や階級などを示す目印としての役割があります。

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白地紋尽文厚板 能装束(のうしょうぞく)

装束(しょうぞく)とは?一定の格式や慣習にかなった衣服、およびその装い

装束しょうぞくという言葉は、体の保護や威厳を示すために身にまとうものを意味しますが、特に一定の格式にかなった衣服、およびその装いを表します。

宝亀ほうき11年(780年)に書かれた『西大寺資材流記帳せいだいじしざいるきちょう』の780年の項には、「羅陵王装束・・・・」とあったり、平安時代中期の10世紀後半に成立した日本最古の長編物語である「うつほ物語(宇津保物語)」には、「夏冬のしゃうぞく・・・女のしゃうぞくきよげにしゃうぞく・・・」などとの記載があるなど、古くから「装束」という言葉が使用されていたことがわかります。 続きを読む

和服・着物における帯(おび)の由来や語源について

和服・着物におけるおびは、主に和服の胴部分に巻きつけて、着物がはだけるのを防いだり、下半身に着用している衣服がずり落ちないようにしたりする役割のものをいいます。

かつてはおび武器などを体に固定しておいたり、権威などの象徴として装飾的な性格も持っていました。 続きを読む

日本人女性は、いつから洋服(西洋服)を着用しはじめたのか?

洋服(ようふく)とは、「西洋服」の略で、西洋風の衣服のことを表します。

日本人女性の服装に洋服(西洋服)が採り入れられたのは、明治19年(1886年)に宮中きゅうちゅう(天皇の居所)で働く女官にょかんの服制に洋服が採りされたことや、国賓こくひんや外国の外交官を接待し、「外国との社交場」として使用された鹿鳴館ろくめいかん(1883年に欧化政策の一環として建設された西洋館)に出入りしていた上流女性が着用した洋服に始まるとされます。

ただ、洋服が着用されはじめた当時はまだごく一部の人々に限られ、一般女性はこれまで通り着物の和服姿でした。
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襦袢(じゅばん)とは?重ね着するために汗取りや保温目的に使用された和服の下着

襦袢じゅばんは、和服の下着を表します。

語源はアラビア語の「jubbah(ジュバ)」で、「jubbah」はアラビアなどのイスラム教徒が着る袖の長いゆったりしたコートのような長衣です。

アラビア語の「jubbah(ジュバ)」が、変遷へんせんをたどってポルトガル語の「gibao(ジバン)」になりました。

16世紀、日本に来航したポルトガル人が着ていた「gibao(ジバン)」は、丈が短い「袖付きの胴着」のようなだったとされます。 続きを読む

ファッション・服飾におけるシック(chic)

シック(仏:chic)という言葉は、①しゃれた、粋な、あか抜けた②上品、優雅③現代風④流行などの意味があります。

「エレガント(仏:elegant)」の同義語として用いられることがありましたが、厳密に言えばシック(chic)とエレガント(elegant)は歴史的には異なります。 続きを読む

ファッション・服飾におけるシースルー(see-through)

ファッション・服飾におけるシースルー(see-through)とは、「see(見える)」と「through(通り抜けて・貫いて)」から成る語で、1945年に文献に初出しています。

シースルー(see-through)は、「透けて見えること」や、「透けて見える衣服やその装い」などを表します。 続きを読む