デザイン」カテゴリーアーカイブ

三角形の頂点が重なるように組み合わされた鱗文様(うろこもんよう)

デザインにおける鱗(うろこ)・鱗文様

三角形の頂点が重なるように組み合わされた模様を鱗文様うろこもんようなどと言います。

芸能の世界では、鱗文様うろこもんようの衣装を着用した女性は、鬼女や蛇体(脱皮する生き物)であることが多く、人物の背景を暗に意味する表現に用いられます。

鱗文様は、「内と外を分けるもの」として生と死や人間と異界、「固定された存在ではなく変わり続ける存在」として再生や変化を意味したりします。 続きを読む

江戸小紋の三役の一つである行儀小紋(ぎょうぎこもん) 小さな点や模様が斜めに整列している柄

江戸小紋の三役と五役。鮫・角通し・行儀・大小霰・万筋について

江戸時代、武士のかみしもや礼装用の小袖こそでに染められた柄は、細やかな模様でありながら格式を示す重要な要素とされていました。

当初、柄の格付けは職人や武士の間で暗黙のうちに行われていたものの、明確な呼称や体系は存在しなかったと考えられますが、江戸時代後期から明治時代にかけて、染物業界や呉服業者が柄の格付けを整理し、広く染め柄が認知されるようになったとされます。

この流れで小紋染めの「三役」や「五役」といった呼称が生まれ、小紋の代表的な柄として位置づけられました。 続きを読む

肥後藩主の細川家で使用された留柄である梅鉢(うめばち)

小紋における留柄(とめがら)・定め小紋

小紋は、もともと室町時代の武士の衣類であるかみしもの家紋を染めることから始まったとされています。

小紋で染められた家紋は家を象徴するものとなり、将軍や大名は各自専用の小紋を定め、それを「留柄とめがら」や「定め小紋」などと称し、他人の使用を禁止しました。 続きを読む