デザイン」カテゴリーアーカイブ

橘文(たちばなもん)・橘紋

デザインにおける橘文(たちばなもん)

倭橘やまとたちばなは、一般的には「たちばな」と呼ばれるミカン科の植物です。

7世紀後半から8世紀後半(奈良時代末期)にかけて成立したとされる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集まんようしゅう』にも、たちばなは詠まれています。 続きを読む

デザインにおける誰が袖図屛風(たがそでびょうぶ)・誰が袖図(たがそでず)

近世初期から障壁画や屏風絵びょうぶえなどの障屏画しょうへいがに用いられてきたテーマの一つに「誰が袖図(たがそでず)」があります。

誰が袖図(たがそでず)には、色とりどりの衣装が衣桁いこう(着物を掛けておくために用いる鳥居のような形をした家具)に掛かる様子が表現されます。 続きを読む

型染めで白抜きされた鶴文(つるもん)

デザインにおける鶴(ツル)・鶴文(つるもん)・鶴亀(つるかめ)

鶴(ツル)は、延命長寿を意味する瑞鳥ずいちょう(吉兆とされる鳥)として、平安時代から画題に選ばれ、文様化されてきました。

広島県の嚴島神社に伝わる国宝『平家納経へいけのうきょう』の表紙には鶴が描かれ、南北朝時代の歴史物語である『増鏡ますかがみ』や鎌倉時代に装束について書かれた有職書である『餝抄かざりしょう』などには鶴丸文様の衣服が記されています。 続きを読む

錐彫りで松葉文が彫られた伊勢型紙

小紋染の染色技法の一つである高砂染(たかさごぞめ)

小紋(こもん)は、型染めの技法を用い、小形の紋様の集合を一定の間隔で繰り返して表現された染め物を表します。

模様(文様)の大きな大紋(だいもん)や中形(ちゅうがた)に対して、小さい模様という意味で「小紋(こもん)」と名付けられました。

小紋が武家以外の人々に着用され始めたのは、江戸時代に新興商人が経済力を持つようになってからで、これまでに見られないような新しい柄が生まれ、羽織や着物に染め出されました。

小紋染の染色技法の中で特徴的なものの一つに、「高砂染たかさごぞめ」があります。
続きを読む

青海波模様が織り込まれた絣織物

絣(かすり)模様の種類。紺絣(こんがすり)と白絣(しろがすり)の違いについて

江戸時代後期から明治、大正、昭和の時代にかけて、庶民の間でとりわけ親しまれた織物にかすりがあります。

かすりとは、経糸か緯糸のどちらか、あるいは経糸と緯糸の一定部分を、糸や布などで括ったり木の板で挟むことによって防染して染めた糸を使用し、織り模様(文様)を表現したものです。

織物の組織としては、絣は平織りと繻子織りしゅすおりにみられます。 続きを読む