日本画の題材は、古くから花鳥風月が中心となり、染織品の模様(文様)にも花や鳥をテーマにした作品が多く作られてきました。
鳳凰や朱雀のような架空の瑞鳥(吉兆とされる鳥)から、鶴や鷹、鶉、鷺、千鳥、鴛鴦など実在するさまざまな種類の鳥が「鳥文」として描かれてきました。 続きを読む
菖蒲は、江戸時代には品種改良が始まっていたというくらい、古くから日本で愛されてきた花です。
音が「勝武」や「尚武(武を尚ぶ)」に通じることから、菖蒲を文様化した菖蒲文が武人に好まれて用いられました。 続きを読む
正倉院裂とは、正倉院宝物として保存されている裂(布きれ)のことです。
正倉院裂には、奈良時代の天平勝宝年間(749年〜757年)に行われた東大寺大仏開眼供養に用いられた裂や聖武天皇(701年〜756年)にゆかりのあった裂などがあります。
その大部分は絹と麻でできた織物で、他には羊毛(ウール)を熱や圧力をかけて縮めた毛氈があります。 続きを読む
竹は中国で古くから愛でられてきた植物の一つで、松や梅とともに歳寒三友として古くから中国で讃えられてきました。
歳寒三友とは、竹、松、梅を表す言葉で、冬の厳しい寒さの中でも力強く美しい様を見せることから、画題(絵画のテーマ)として用いられてきました。
中国から文化が伝わり、日本で竹、松、梅が画題とされるのは平安時代ごろからと考えられ、一般庶民に盛んに用いられるようになるのは江戸時代からです。
現代でも松竹梅は、吉祥(縁起が良い)を一番象徴する模様と言っても良いほどの立ち位置となっています。 続きを読む
瓢箪は、古くから実用品として水や酒を入れる容器として用いられてきました。
瓢箪は末広がりの形状をしているため、縁起が良いものとされ、独特のくびれた実の形のおもしろさから、「瓢箪文」として古くから文様(模様)表現としても人々に親しまれてきました。
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実際に存在はしないが幻とされる幻獣は、世界中で古くから人々の希望や願望をのせたものとして作り出されてきました。
ペガサスやケンタウロスなど日本人でも聞いたことがあるでしょうし、中国では鳳凰などが見て取れます。 続きを読む
中国では古くから松は風雪に耐え、極寒にも常緑を保つ節操高いものとされ、神仙思想(不老不死の神仙となって神仙の住まう理想世界に住むことを希求する思想)と結合し、延年長寿の印とされてきました。
これが日本に導入され、松は儒教的な倫理と開運・延命長寿など吉祥の象徴とされていました。 続きを読む