「用と美」という言葉があります。
この言葉を聞くと、「民藝運動の父」と呼ばれる柳宗悦(1889年〜1961年)を思い浮かべる方も多くいるのではないでしょうか。
名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝」と名づけ、民藝には美術品に負けない美しさがあると唱え、美は生活の中にあると語りました。
人々の暮らしの営みのなかから生まれた民藝には、「用」にきちんとひも付いた「美」が宿っている。豪華な装飾がほどこされ、観賞用の作品が主流となってきていた工芸の世界において、あたらしい美の価値観やモノの捉え方を提示したのです。 続きを読む