紅型びんがたの語源や起源については諸説あり、はっきりとはしていません。

「紅」とは単に紅色べにいろを表すだけでなく、広く色彩全般も意味します。

紅型（びんがた）とは？

藍による一色染めを「藍型えいがた」と呼ぶことから、多彩な色合いのものを「紅型びんがた」と自然に呼ばれるようになったと考えられます。

紅型びんがたの起源については、15世紀ごろに「浦添型うらしいがた」という、生地に直接型紙を置き、顔料がんりょうを摺すり込むといった、もっとも初歩的な型染めが存在しており、これが紅型びんがたの源流となっているは確かです。

現在にみられる紅型びんがたの様式が確立されたのは、17世紀の後半になってからというのが定説になっています。

慶長けいちょう14年（1609年）、薩摩さつまは琉球りゅうきゅうを属領としますが、それからしばらく経った17世紀後半ごろは、本土との交流が盛んになってきた時代です。

本土で流行していた友禅染めとの交流も生まれ、当然紅型びんがたも大きな影響を受けたと考えられます。

紅型は、琉球王府の保護によって発展していき、王府御用型付師制度という、型付師が世襲制せしゅうせい（特定の血統に属する者）で技法を伝承させるものがありました。

この制度は、明治維新で藩政が解体されるまでの約400年間続いていました。

廃藩置県によって、琉球王府は解体され、琉球貴族の滅亡だけでなく、紅型びんがたも衰退していきました。

さらに、第二次世界大戦によって、沖縄のすべての文化遺産と同様に、紅型びんがたも壊滅的な打撃を受けました。

現在、いくつかの工房によって、紅型の技術が守り継がれています。

紅型の技法

紅型の工程としては、まず布地を捺染なっせん板の上に張り（地張り）、型紙を当てて防染糊ぼうせんのりを置きます。

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型付けが終わると布を板からはがし、伸子しんしに張って日陰に干します。

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乾燥したら、豆汁ごじるを引き、再び陰干しします。

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色差しは、机の上で、彩色用の刷毛はけと摺すり込み用の刷毛はけの2本を用い、模様に色をさしていきます。

紅型の特徴としては、どのような多彩な図柄（デザイン）であっても、型紙は1枚しか使いません。

色差しは二重摺ずりといって、最初に顔料がんりょうを彩色用の刷毛はけで色差しし、その上から植物染料を摺すり込み用の刷毛はけで色をさしていきます。

次に隈取くまどりといって、ぼかしを行います。

明礬みょうばんで色止めをして、2〜3日後に洗いして完成です。