織物における妙(たえ)。荒妙(あらたえ)、和妙(にぎたえ)について

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古く、麻やこうぞ、藤などの糸で織った布が「たえたえ)」などと表現されていました。

荒妙(あらたえ)・和妙(にぎたえ)

麻やこうぞなどの糸で織った布は、古代の衣服の主要な材料で、粗いものを「荒妙あらたえ」、柔らかなものを「和妙にぎたえ」、寝る時に敷くものは「敷妙しきたえ」などと称されました。

7世紀後半から8世紀後半(奈良時代末期)にかけて成立したとされる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集まんようしゅう』には、「白妙しろたえ」や「明妙あかるたえ」などの語も登場します。

平安時代以降は、「たえ」は布帛ふはく一般の総称となり、「荒妙あらたえ」は苧麻ちょま布、和妙にぎたえは平絹を指すようになったと考えられます。

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