染色における隈取り(くまどり)


染色において、「隈取り(くまどり)」と呼ばれる技法があります。

隈取りとは、模様(文様)の輪郭をすみしゅ(赤色顔料)で縁どりすることを意味します。

染色における隈取り(くまどり)

隈取りを行う効果としては、模様(文様)に遠近感や高低差を出すことによる立体感を表現したり、色調しきちょう色合い)に抑揚をつける点などが挙げられます。

隈取りのような技法は、室町時代末期から安土桃山時代(1573年〜1603年)にかけて流行した模様(文様もんよう)染めである「辻が花つじがはな」に多くみられます。

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加賀で発達した友禅染めである「加賀友禅かがゆうぜん」や沖縄の紅型びんがたなどにも、隈取りの技法が用いられてきました。