浮織とは、浮織物という意味であり、「うけ織」、「浮紋織」、「浮文」とも言います。
浮織(うきおり)とは?
浮織は、経糸と緯糸に違った色のガス糸(細かい毛羽が焼いた綿糸)を用いて織った小紋織である擬風通織のように、模様の部分の糸が地組織から浮き立ったもので、あたかも刺繍が施してあるかのようにみえます。
浮織は、模様が美しいため、天平時代(729年〜749年)から、上流階級の人々の装束として、袍や表袴、狩衣、唐衣、袿などに用いられました。
この浮織と区別されるものに、「地揚げ」というものがあります。
地揚げは、絵模様を表す緯糸、すなわち絵緯で模様を浮かしたものであって、地を組織する経糸、または緯糸の一部分を浮かせて模様を表したものです。
ただ、文献によると、浮織は、この地揚げを含んだものとして、単に模様が浮き上がっている織物を意味しています。