大青(漢名:大藍・菘藍)は、アブラナ科に属し、中国が原産地とされ、享保年間(1716年〜1735年)に日本に渡来したとされます。
ヨーロッパからシベリアのバイカル湖付近にまで分布するといわれるアブラナ科の越年草である細葉大青(学名:Isatis tinctoria)は、英名ではWoad(ウォード)と言われます。
同じ藍の色素を持つ植物でも、蓼藍やインド藍や琉球藍などとは品種が違い、ウォードはアブラナ(菜種菜)によく似た大きな草です。
染色・藍染におけるウォード(Woad)
古代エジプトで行われていた藍染の原料となったのは、アブラナ科のウォードだと考えられています。
ヨーロッパ全域では、古くからウォードを使用した藍染が行われ、シベリア一帯でも使用されていたとされます。
千島から樺太、そして北海道に住んでいたアイヌ人たちの藍染も、細葉大青が用いられていました。
細葉大青が用いられていたのは、シベリアからの文化の影響だと考えられています。
アイヌの大青のことは、蝦夷大青と呼ばれ、ヨーロッパのウォードや中国産の大青の一変種とされていましたが、素人が見たところでは、いずれもアブラナ(菜種菜)に似た草で、ほとんど区別がつかないほどです。
大青は、菘藍とも呼ばれ、菘とは唐菜(アブラナの一種)のことを指します。
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