染色・草木染めにおける黄檗(きはだ)。黄檗の歴史と薬用効果、染色方法の一例について

黄檗きはだ(学名 Phellodendron amurense RUPR.)は日本各地の山地に自生するみかん科の落葉高木です。

幹の外皮は厚く、外皮の内側の内皮が黄色いため、古くから黄色を染める染料に使用されてきました。

飛鳥時代の染織品の中で、緑色系のものの多くは、藍染した上から黄檗きはだで染め重ねたものとされています。

Phellodendron amurense Korkowiec amurski 2019-05-24 05

黄檗,キハダ,Phellodendron amurense RUPR.,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

続きを読む

脚絆(きゃはん)とは?

脚絆きゃはんは、「脚半きゃはん」とも表記し、脚部を覆う布を表します。

脚絆きゃはんのようなものは、古くは脛巾はばきと呼ばれ、奈良時代に制定された養老ようろう衣服令えぶくりょうあたりからその名前が見られます。

南北朝時代ごろから「脚半」と書いて「はばき」と読みようになり、室町時代には「脚絆」の文字もみられるようになります。 続きを読む

蚕(かいこ)の繭(まゆ),絹糸(シルク糸)の原料

絹(シルク)のセリシンとは?セリシン(sericin)を除去する方法について

かいこ家蚕かさん)のまゆから取ったままの糸を生糸きいと(raw silk)と言います。

生糸きいとを構成している一本の繊維は、2種のタンパク質からなります。

カイコの体内にある左右の絹糸腺からつくられた2本の「フィブロイン」タンパク質が、膠質こうしつの「セリシン(sericin)」と呼ばれるタンパク質に包まれた形になっています。 続きを読む

デザインにおける杵文(きねもん)

もち穀物こくもつうすくのに用いる道具を、「きね」といいます。

中央のくびれた部分を手で握って、まっすぐにくように作られた形の手杵てぎねが、古くからデザインとして模様化(文様化)されてきました。

もちをつく行為は、縁起の良い時やお祝い事の際によく行われたため、作業道具であるきねは、吉祥文きっしょうもんとして活用され、紋章にも用いられてきました。

綿織物

なぜ色が見えるのか?人が色を認識する仕組み、色光や蛍光、加法混色と減法混色について

私たちが色を感じられるのは、私たちの目に色を見分ける仕組みがあるためです。

人間の色彩感覚は、光が眼の網膜もうまくに達して視細胞しさいぼうを刺激して、その刺激が視神経ししんけいから大脳だいのう視覚中枢しかくちゅうすうに伝えられることによって引き起こされます。

つまり、光自体に色はなく、人間の目と脳の働きによって色合いを感じられるのです。 続きを読む

染色・草木染めにおける櫟(クヌギ)。薬用効果や橡色(つるばみいろ)の歴史について

クヌギ(学名Quercus acutissima CARRUTH. )は、ブナ科の落葉広葉樹です。

属名のQuercusは、ケルト語のguer(良質の)とcuez(材木)に由来するもので、acutissimaの種名は、「最も鋭い」という意味で、葉っぱの鋸葉のこぎりばの様を表しています。

成長すると樹高は15〜20メートルほどになり、日本では本州の岩手、秋田県以南、本州、四国、九州の各地に広く分布しています。

Quercus acutissima BW-5424050

クヌギ,Franklin Bonner, USFS (ret.), Bugwood.org, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons,Link

続きを読む

型染めされた木綿の藍染布,松文(松模様)

デザインにおける吉祥文(きっしょうもん)

吉祥きっしょう」は、良いきざしや、めでたい印を意味する言葉です。

吉祥文きっしょうもんは、「吉祥」の意味が込められたデザインを総称します。

中国古代の『五行説』や『易経えききょう』の思想に基づくもの、宗教上の信仰によるもの、その他視覚的感情によるもの、歴史的伝説に基づくもの、言葉の発音と意味による語呂合わせ、隠語や迷言など、多種多様の吉祥文きっしょうもんがあります。

続きを読む