デザインにおける羯磨文は、密教の法具である「羯磨金剛杵」が模様化(文様化)されたものです。
デザインにおける羯磨文(かつまもん)
『金剛頂経』の教えを表す成身会は、大日如来の智慧の世界そのものともいえる会で、単独で「金剛界曼荼羅」と呼ばれることもあるほど重要な会ですが、この会が「羯磨会」や「根本会」などとも呼ばれます。
羯磨は、羯磨会の際に用いるのでこの名前があります。
金剛杵は、もともと杵の形をした武器で、両端が鋭くとがっており、密教では煩悩を破る法具とされます。
この金剛杵の両端に、三つの鋒が付いた三鈷杵を十字に組み合わせたのが羯磨文です。
羯磨文の交差した部分は、もともと半球型であったのが、のちに蓮花(ハスの花)の形となり、家紋にも用いられてきました。