ギルド(Guild)とは、中世のヨーロッパの都市で発達した親方、職人、従弟からなる商工業者の特権的同業団体を表します。
商工業の同職仲間(同じ仕事をしている仲間)であるギルドと同じような団体は、中世のイスラム世界や中国、日本など世界中の国々においてもみられました。
ものづくりにおけるギルド(Guild)
8世紀頃には、ゲルマン地方、および北フランスにギルドのようなものは存在し、北ヨーロッパの商人たちは、9世紀ごろから外国に移動しながら商売をおこなうことがありました。
彼らは団体をなして同一方向に旅をし、旅行中に出会った参加者も加えながらながら、商人の保護団体としての商人ハンザ(商人組合)を作りました。
商人ハンザ(商人組合)の結成は、ゲルマン法によって自由な身分の人々が人格的・経済的保護を目的としました。
彼らは後に都市的生活を知ると、都市の構成団体としての商人団体(商人ギルド)を形成していきます。
工匠ギルド(Zunft)は11世紀ごろから生まれ、後に法制化されたため、工匠はその職に従事するためには工匠ギルド(Zunft)に加入しなければなりませんでした。
これらは都市の富裕な商人をほとんど包括し、小売を独占する特権を得て都市住民の最有力の集団(上層市民)となり、市政対しても大きな影響力を持ちました。
日本では12世紀から16世紀の末まで、主として公家や社寺を本所として発達した「座」や18世紀前半に公認された株仲間がギルドと同じような性格を持っています。
例えば、京都では、東寺が支配する「寝藍座」という同業組合があり、藍の栽培や加工に従事しており、室町時代の永亭3年(1431年)には、京都九条の寝藍座が藍の葉を無断で東寺境内で乾燥させるので、これを断ったという記録があるようです。