織物は、経糸と緯糸から組織されていますが、経糸と緯糸の方向を「地の目」と言います。
緯糸は織物の「耳」に対して、平行にはしっています。
経糸の方向を「経の地の目」といい、経の地の目を横切ってはしる糸の方向を「緯の地の目」といいます。
目次
地の目を正しく読む方法
洋服をつくるときに必要な原型や型紙(パターン)は、経と緯の地の目が正しく通っていないといけません。
なぜなら、地の目がゆがんだまま衣服が作られると、出来上がりの服自体のシルエットがひずみ、形が崩れる可能性があるからです。
「地の目を通っている」という言葉がありますが、経緯の地の目がきちんと整っている状態のことを言います。
また、「地の目を通す」という言葉は、縦緯の地の目を整える作業のことを意味します。
洋服をデザインし、縫製しようと考える人は誰でも、地の目を正しく読めるようにならないといけません。
布地に耳がない状態で、地の目を読む
生地に耳があれば、経緯の地の目を見分けることは簡単です。
では、耳がない状態ではどうすればいいでしょうか。
見分け方は、主に2種類あります。
経糸と緯糸の糸自体の強さを調べる
一般的に、経糸は緯糸よりも強度が強いものになっています。
なぜなら、織物が織られる工程で、経糸はかなりの抵抗に耐える必要があるからです。
経糸と緯糸の糸自体の強さを調べることによって、地の目がわかる場合があるのです。
関連記事:糸の撚り(より)の強さは品質にどう影響するか?甘撚りと強撚の特徴。
経糸と緯糸の伸び縮みの程度を調べる
織物は、緯糸が常に経糸の間をぬって交差することで組織されているため、緯糸は、引っ張ると伸び縮みしやすい性質があります。
経糸と緯糸を引っ張ってみて、その伸び縮みの具合によって、地の目がわかる場合があるのです。
立体裁断と地の目
服を作る場合、平面でパターン(型紙)をおこすのではなく、人体やボディ(洋裁で使う人体模型)に直接布をあてて裁断する立体裁断という手法があります。
立体裁断をする初心者は特に、地の目を意識する必要があります。
正しい位置で地の目が通っていない場合の立体裁断では、カットした後、布を平面に広げた際に歪みが生じる可能性があるためです。