本記事では、染色・草木染めを学び、理解するために役立つおすすめの本を紹介します。
染色・草木染めにおけるおすすめの本
小泉武夫(著)『灰と日本人』
木材や藁の灰に水や熱湯を加えてかき混ぜ、その上澄み液が灰汁と呼ばれるアルカリ性の液体になります。
灰汁非常に古くから染色・草木染めの分野で活用されてきました。
小泉武夫(著)『灰と日本人』には、日本人が活用が灰をさまざまな形で活用していたことが語られています。
例えば、染色における灰の効用については以下のような記述があります。
染料の調整に木灰を使用する目的は、植物色素を木灰が有効に抽出しうること、木灰またはその灰汁中のアルミナ(酸化アルミニウム Al2O3)やケイ酸などが、色素成分と化学結合することにより、色彩を鮮明にし、これを固定して安定化がはかられること、灰や灰汁の種類や使用量などを変えることにより、系列色を数色多彩にあやつれることなどであります。小泉武夫(著)『灰と日本人』
染色や草木染めに興味がある人にとって、読んで損はないとおすすめの本です。
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前田雨城(著)『色 染と色彩』
著書の前田雨城氏は、高倉家染頭32代目、紅師と呼ばれていた二村紅華氏に師事し、染頭の33代目を継ぐことになりました。
後に古代の色彩と染色法の研究者として、集めてきた知識と実際の経験からの得た色について記述した『日本古代の色彩と染』を出版します。
上記の本はあまり流通しておらず価格も高いため、その後に出版した『色 染と色彩』は手に取りやすくおすすめです。
日本の古代における染色やその歴史について興味のある方にとっては、前田雨城氏の著書は少しマニアックですが非常に読む価値のある本です。
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