黄色」カテゴリーアーカイブ

黄連(おうれん)

染色・草木染めにおける黄連(おうれん)。黄連(おうれん)の染色方法や薬用効果について

黄連おうれん(学名Coptis japonica Makino)は、キンポウゲ科オウレン属で常緑多年草の薬用植物です。

葉には光沢感があり、セリに似ており、早春に根茎こんけいから芽を出し、3〜4月ごろに根元から高さ10cmほどの花茎かけいを出し、数個の白い花を付けます。

地下茎ちかけいはやや太く、中は黄色で横にのび、たくさんの根を出します。

Coptis japonica var. anemonifolia 2

Coptis japonica,Qwert1234, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons,Link

9〜11月頃に、根茎こんけいを採取して細い根を除いて乾燥させたものが生薬の「黄連おうれん」です。 続きを読む

染色・草木染めにおける野薔薇(ノイバラ)。薬用効果について

野薔薇のいばら野茨のいばら)(学名Rosa multiflora)は、野生のバラにおける代表的な品種です。

花屋などで観賞用として売られているバラの原種の一つであり、野薔薇のいばらから数々の品種が作り出されてきました。

英語のRosaはラテン語のRosaに由来し、バラ属(Rosa)に属するものは非常に多く、さまざまな種類を含んでいます。

multifloraは、花が房状に咲くことから、ラテン語で「花が多い」を意味します。 続きを読む

染色・草木染めにおける南天(なんてん)。薬用効果や歴史について

南天なんてん(Nandina domestica THUNBERG)は、 西日本、四国、九州など比較的あたたかい地域に主に自生していますが、もともとは中国から渡来したといわれています。

属名のNandinaは、安政4年(1858年)に、長崎の出島に来日したスウェーデン人のCarl Peter Thunbergが日本名のナンテンから命名したもので、domesticaは家庭を意味するもので、人の家によく植えられていることからきています。

南天といえば、赤い実をつけることがよく知れられていますが、白い果実をつけるシロミノナンテンや、淡紫色のフジナンテンなどがあります。

葉っぱが細く、繁殖しやすいホソバナナンテンや、葉っぱが丸みを帯びているものなど、園芸品種が非常に多いことでも知られています。

1年を通して葉が枝や幹についており、樹高の低い常緑低木じょうりょくていぼくとして、観賞用に庭木として植えられることが多いです。

樹高は、2mほどに成長し、6月ごろに茎の先に白色に小さい花を咲かせます。

2021-06-22 17 23 49 Heavenly Bamboo flowers along Franklin Farm Road in the Franklin Farm section of Oak Hill, Fairfax County, Virginia

Famartin, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

果実は丸く、はじめは緑色ですが、冬のはじめごろに赤く熟すため、正月飾りのために使用されたりします。

Nandina Berries, Parliament gardens, Melbourne Australia (4617895729)

南天,Rexness from Melbourne, Australia, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons,Link

南天の花は、俳諧はいかいにおける初夏の季語となり、果実は冬の季語として詩や歌に詠まれることも多いです。 続きを読む

染色・草木染めにおける吾亦紅(われもこう)。薬用効果や歴史について

吾亦紅われもこうは、日本各地の高原や草むらの日当たりの良いところに自生しているバラ科の多年草で、アジアやヨーロッパの北半球に広く分布しています。

茎が直立しており、約1mの高さに生長します。

Sanguisorba officinalis im Thomaried Böblingen 02

吾亦紅,Giftzwerg 88, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

夏から秋にかけて茎の先端が枝分かれし、その長い枝先に黒紅紫色で、小さい花が密集し、桑の実に似たような形になります。

Sanguisorba-officinalis

吾亦紅,Björn Höfling, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons,Link

漢名では、地榆じゆ玉豉ぎょくしなどと言いますが、中国の本草学史上において分量がもっとも多く、内容がもっとも充実した薬学著作である『本草綱目ほんぞうこうもく(1596年刊)』には、「葉がにれに似て長く、生えたばかりには地にい布くものだから地榆じゆと名付けた」また「その花、子が紫黒色で豉のようなところから玉豉ぎょくしと名付ける」とあります。

そんな特徴的な花を咲かす、吾亦紅われもこうの染色における利用や薬用効果、歴史について紹介します。
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