投稿者「iroai.jp」のアーカイブ

桜染め,アルミ媒染

染色・草木染めにおける桜(さくら)

桜は、古くから人々に親しまれてきました。

7世紀後半から8世紀後半(奈良時代末期)にかけてに成立したとされる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集まんようしゅう』には、4,500首以上歌が集められていますが、桜を詠んだ歌が非常に多く、「桜の花」、「桜花」、「山桜」、「山桜花」などとあり、40首が収められています。

ただ、桜が染色に用いられるようになったのは近年になってからと考えられます。

江戸時代には「桜鼠さくらねずみ」など色名がありますが、桜自体を使用したわけではなく、桜色がかった鼠色ねずみのことを指していると考えられます。 続きを読む

染色・草木染めにおけるマリーゴールド

マリーゴールド(学名:Tagetes)は、キク科でマンジュギク属の一年草で、広く園芸種として栽培されています。

草高は、15cm〜30cmに成長し、夏に分枝し、4cm〜8cmの頭状花とうじょうかをつけます。

マリーゴールドの名前で親しまれている植物には、アフリカン・マリゴールドとフレンチ・マリゴールドがあり、アフリカン・マリゴールドはメキシコ原産で、和名では、千寿菊せんじゅぎくまたは万寿菊まんじゅぎくといいます。

Tagetes-Marigold-Flower 08

マリーゴールド,Tagetes,Sabina Bajracharya, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons,Link

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染色・草木染めにおけるバラ(薔薇)

ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。

日本においても古くからバラが栽培されていたとされ、バラを描いた美術や工芸品も残っています。

バラ(薔薇),Rosa 'Karneol Rose' Rupprecht Radke 1964

バラ(薔薇),Geolina163, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

平安時代には、中国からコウシンバラ(庚申薔薇こうしんばら)が渡来していたと考えられており、「古今和歌集」や「枕草子」、「伊勢物語」や「源氏物語」などから、バラが観賞されていたことがわかります。

関連記事:デザインにおけるバラ(薔薇)

歴史的には、紅花べにばなのように花を染料にして染めことは行われてきましたが、バラの花びらを使った染色というのは、ほとんど行われなかったと考えられます。

一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました.

ただ、花びらを使用した染色において、バラの花が活用されることがあります。 続きを読む

染色・草木染めにおけるチューリップ

花を染料にして染める行為は、古くからおこなわれてきました。

特に有名なのが紅花べにばなで、赤系の色を染めるのに重要なものとされてきました。

紅花以外にも、杜若かきつばたや、はぎ露草つゆくさなどの花りであったり、槐花かいかえんじゅ)、金銀花きんぎんか(すいかずら)、向日葵ひまわりなども染料とされていました。

紅花染めが色の移ろいが激しい染料として、数々の歌にも読まれているように、一般的には花びらは染まりにくく、たとえ染まったとしてもすぐに色あせてしまうものとされてきました。 続きを読む

染色・草木染めにおけるサフラン

サフラン(学名 Crocus sativus)は、アヤメ科クロッカス属の植物で、そのめしべを乾燥させた香辛料もサフランと言われます。

サフランはクロッカスの仲間で、球根で生長する植物です。

食用のものをサフラン、観賞用のものをクロッカス(ハナサフラン)と分けたり、秋に花を咲かせる種類をサフランと呼び、春に花を咲かせる種類をクロッカスと呼んで区別することがあります。

サフランは、その大きな花びらと、花の中心部に目立つ鮮やかな黄色のおしべと紅赤の柱頭ちゅうとうをつけるめしべが特徴的で、1つの花に3本しかないその紅赤の柱頭ちゅうとう(めしべ)を1つずつ手で摘み取って乾燥させるため手間がかかり、古くから非常に高価な香辛料として知られていました。

サフラン,Crocus sativus - Saffron crocus - Safran 02

サフラン,Zeynel Cebeci, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

3000年以上前から香辛料、着色料、香味料として、世界中で幅広く利用されてきました。

日本において、サフランは江戸時代に漢方薬として日本に伝わり、明治半ば過ぎには大分県竹田が名産地となりました。 続きを読む

デザインにおけるカーネーション

カーネーション(学名Dianthus caryophyllus)は、原産地は南ヨーロッパおよび西アジアの地中海沿岸地域といわれ、古代ギリシャ時代から栽培されていました。

学名の「ダイアンサスDianthus」は、ギリシャ語で「神聖な花」という意味です。

現在、花の日にカーネーションを送るのは、カーネーションが愛の花のシンボルとされているためです。

カーネーション,BBC Gardeners World - 2017-06-15 - Andy Mabbett - 19

カーネーション,Andy Mabbett, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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デザインにおけるユリ(百合)

ヨーロッパにおいて、非常に多く文学や美術に使用されてきた花にユリlily(百合)があります。

ユリの花がさまざまな創作物のモチーフに使われていた歴史は古く、古代ミノア文明(Minoan civilization)が栄えたクレタ島では、紀元前1600年頃の壺や壁画に描かれています。

ユリの花とクジャクの羽で作ったかんむりをかぶった「百合の王子(Prince of the Lilies)」と呼ばれる壁画があります。 続きを読む

デザインにおけるバラ(薔薇)

ヨーロッパの花の中でも、古くから観賞用として人々に愛され、美術や工芸の模様におけるモチーフとされてきたのがバラ(薔薇)です。

もっとも古いもので、紀元前1500年頃のクレタ文明における壁画に描かれたバラの落花があります。

バラは、ギリシャやローマに伝えられ、百合やサフランなどと共に古代人に尊ばれていました。 続きを読む

デザインにおける水仙(すいせん)

水仙すいせん(学名Narcissus)は、ヨーロッパでは古くから親しまれてきた花です。

日本における水仙すいせんも、元々は地中海沿岸やヨーロッパに自生していたものが、シルクロードを通り、中国から日本にもたらされたとも言われます。

水仙(すいせん),Narcissus 'Slim Whitman' Narcyz 2023-04-23 01

水仙(すいせん),Narcissus,Agnieszka Kwiecień, Nova, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons,Link

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ハンモックの優れた機能性。ハンモックに使用された緑の黄金、エネケン繊維について

ハンモックは、ブラジルにおいてハマック(hamack)という木の皮であみを作って寝たことが、その名前の由来であると言われます。

スペイン語でハンモックは、ハマカ(hamaca)と呼ばれ、メキシコのカンペチェやユカタン半島などで広く使用されてきました。

ハンモック,Hammock 2 (PSF)

ハンモック,Hammock ,Pearson Scott Foresman, Public domain, via Wikimedia Commons,Link

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