オパール加工(Opal finish)とは、耐薬品性(各薬品に対しての耐久性のこと)の異なる繊維を用いた交織の織物などに、一方の繊維を溶解(腐食)させる薬品を模様状にプリントし(印捺)、その部分を除去(抜食)して透かし、レース状の布に加工することをいいます。
「オパール」は、宝石の名前からきており、本来は布の上にオパール調の模様を出すオパール捺染のことでした。
オパール加工は、抜食加工(burn out finishing)、抜食捺染とも言います。
また、布全体を抜食することは、オールバーンアウト加工(All burn out)などといいます。
酸性、アルカリ性によって変わる繊維の性質
羊毛、シルク、ナイロン、ポリエステル繊維は酸性に強く、木綿やレーヨン、アセテート繊維は酸性に弱いという性質があります。
これらは、加熱によって硫酸が発生する酸性硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄などが使用されます。
アルカリ性に弱い羊毛(ウール)やシルクなどは、苛性ソーダや水酸化カリウム(苛性カリ)によって抜食されます。
ポリエステルや綿、レーヨンの場合は、硫酸アルミニウム、酸性硫酸ナトリウムなどが使用され、ポリエステルとトリアセテートの場合は、硫酸第二鉄を用いる例が多いです。
綿繊維をアルカリ処理
苛性ソーダで処理すると収縮(縮む)する性質があります。
苛性ソーダをつかって生地に凹凸やしぼのある部分をつくることを、リップル(クリンプ)加工や塩縮加工といいます。
また、木綿を引っ張った状態で、高濃度の苛性ソーダ液に通し、水洗い、乾燥させると、染料や薬品の吸収が良くなり、光沢感が出ます。
絹のような光沢感が出るため、日本ではシルケット加工と呼ばれていますが、苛性ソーダに浸けて処理加工すること自体を、マーセル化(マーセリゼーション)とも言います。
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