生葉染めでも染色ができる蓼藍(タデアイ)の葉

藍の生葉染めの方法

シェアする

藍染は還元性の染料で、糸などを染色する際は、液を還元して染めることになり、非常に手間と労力がかかります。

しかし、生の葉を用いれば、簡単に藍染めを楽しむことができます。

刈り取った生の葉っぱを乾燥させずに、水にインジガンを抽出して染めるもので、濃い色を染めるのは難しいですが、還元して染める藍染めでは得られないような淡くてフレッシュな色を染めることができます。

藍の生葉染めの方法

生葉染めは、水溶性のインジガンを抽出して繊維に吸収させた上でインジゴに変化させて染着させます。

ただ、抽出過程やインジゴの生成過程において少しでもショックを与えると、簡単に異性体が生成して色相がにごります。

具体的には、抽出や染色の際に、液の温度が40度を越えた場合や長い時間液を放置すると簡単にインジゴレッドやインジゴブラウンという異性体が生成されます。

これは、液を酸性にしたり、ミキサーで生葉を砕いたりすると顕著にあらわれ、全く染まらないものになる場合もあるので、抽出液の管理は注意する必要があります。

生葉はすぐに染まりますが、すぐに染まらなくなる液でもあるので、簡単そうで意外と難しい染色なのです。

葉の刈り取り

春に蒔いた種が成長し、成長した藍の下の方に生えている葉が黄色くなる前に刈り取るのが大事で、3月上旬ごろに種を蒔いた藍の1番刈りは6月頃になります。

藍の色素のインジゴは花が咲いてしまうと栄養分として消費されるので、少なくとも花芽が出る前に刈り取るのが大切です。

茎を根本から15cmほど残して刈り取れば、残した茎から再び成長し、8月末〜9月ごろには2番刈りができます。

刈り取った葉は、くきには色素が含まれないため、茎を取り除いて葉だけにします。

葉が乾燥すると葉の中で不溶性のインジゴが生成されるため、そのままでは水に溶けなくなります。

したがって刈り取った葉は乾燥させずに、速やかに色素を抽出する工程に進みます。

生葉から藍の色素を抽出する方法

水に浸けた時にインジガンが抽出しやすいように、包丁などで細かく刻むか、ミキサーで粉砕して抽出します。

ただ、ミキサーで抽出すると色素が短時間に変化するリスクがあります。

液を濾過ろかせずに用いると、葉緑素が染まりつき濁った緑色になることがあるので、基本的にはしっかりと濾過した液を染め液とします。

水1リットルに対して、生葉を25g使用し、葉があまりに多いと、色相が濁るので注意が必要です。

計量した水と葉をミキサーに入れ、粉砕し、できるだけ素早く濾過し、抽出した染め液で染色します。

染色に用いる抽出液は、布の重量に対して30倍〜50倍を基準とします。

例えば、布(糸)量が100gのときは、一回の染液は3リットル必要とします。

できるだけ濃く染めたい場合は、その都度新しい液を作り直して何度も染めていきます。

例えば、3回染め重ねるつもりであれば、合計9リットル分の染め液を作る必要があります。

染める素材

絹(シルク)は生葉から抽出した液で、そのまま染められます。

染色する液につけている時間は、できれば長めにつけておく方がよく染まり、1回の染色に30分くらい要しても問題ありませが、同じ形で放置し続けると染色ムラが発生する可能性が高くなるので、ムラが出ないように液中で布を動かすのは大事な作業です。

木綿や麻のセルロース系の繊維は、そのままでは染められず、生葉染めには適していないと言えます。

どうしても染めたい場合は、染める布を先に豆汁で下処理してから染色するといくぶんかは染まります。

シェアする