2色以上の糸を使用し、経(たて)、または緯(よこ)、あるいは経緯に筋を表した模様(文様)を、縞や格子と呼んでいます。
縞織物は基本的に、縦縞(竪縞)、横縞、格子縞の3種類のうちのどれかに当てはまります。
使用されている糸の色や素材、糸の太細、緻密さ、配色、縞の幅の広狭、金銀糸の使用、紋織の併用など、組み合わせによってありとあらゆるの縞織物が存在します。
デザインにおける格子縞(こうしじま)
縦縞と横縞の組み合わせで、比較的粗目の柄の配置の場合、格子のようにみえることから「格子縞」という名前があります。
格子縞には、縞柄の細さや大きさなどの違いによって、下記に列挙するようにさまざまな名前が付けられました。
- 大格子
- 小格子
- 三筋格子
- 微塵格子
- 八丈格子
- 菊五郎格子
- 六弥太格子
- 三枡格子
- 弁慶格子
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碁盤縞(ごばんじま)
碁盤のように縦横の幅が同じ格子縞のことを、「碁盤縞」と呼んだりします。
綿織物によく用いられ、白地に紺や紺地に白縞のものが多く作られました。
江戸時代後期に出版された三都(京都・大阪・江戸)の風俗や事物を説明した一種の百科事典である『守貞謾稿』(天保8年 (1837年)に記録を始め、嘉永6年(1853年)成立)には、「木綿単衣には辨慶大名碁ばん等密ならざるを専とし」との記載があります。
「弁慶の碁盤(辨慶大名碁ばん)」とは、武蔵坊弁慶が書写山(兵庫県姫路市にある山)にいた頃に、播州清水寺に遊びに行き、住職と碁を打ったと伝えられる伝説の碁盤のことで、上記では碁盤縞のことを意味しています。
また、「今の碁盤島は右の格子筋也」などとの記載があります。