金銭や財宝を入れる袋で、現代でいうお財布のような役割を果たしていたものを「金嚢(きんのう)」と呼んでいました。
お金だけでなく、香料やお守りなど、大切なものを入れておく袋としても用いられていた金嚢は、模様(文様)としても活用されてきました。
デザインにおける金嚢文(きんのうもん)
金嚢は、縁起のよいものとして知られる宝尽しの一つで、金嚢文としてさまざまな形にデザインされてきました。
例えば、真珠やひし形を繋いだ形の方勝、仏教伝来とともに日本に伝えられた法具である磐、サイの角である犀角などと共にデザインに用いられていました。
金嚢は吉祥(めでたい)なものとして家紋(袋紋)にもなり、二袋、三袋、角袋、丸袋、菱袋などさまざまな種類があります。