浴比(bath ratio)とは、染めるべき布や糸の量と、染液(染浴)の量の比を表します。
例えば、布100gを染めるために染液(染浴)の量を5リットル使用すると、浴比は、「1:50」ということになります。
浴比が小さいほど、染料の濃度が高くなるため、工場などの機械染色の場合は、できるだけ浴比を小さくする努力がされています。
ただ、浴比が小さければ小さいほどムラにもなりやすいので注意が必要です。
染色・草木染めにおける浴比(bath ratio)
一般的な浴比の割合としては、「1:20」〜「1:30」ぐらいが用いられています。
少量の布を手で染める場合は、薄手の生地でも「1:30」(例えば、布100gに対して染液3リットル)が限度で、ムラになることを防ぐためには、「1:40」から「1:100」くらいまでの幅で染色します。
糸染めの場合は、「1:20」から「1:40」くらいの幅で丁度いいです。
「1:200」といった大きな浴比は、染まりが遅いため濃色染めには適していません。
淡色に染めたい場合に、あえて大きな浴比で染めるという選択肢は考えられます。