茶道具を入れる仕覆・仕服(しふく)

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仕覆しふく(仕服)とは、茶入れや茶碗、挽家ひきや(茶入れを仕覆に入れて保存するための容器)などをの茶道具を入れる袋のことを表します。

茶道具を入れる仕覆・仕服(しふく)

仕覆しふく(仕服)は本来、茶器を紙で覆ったものを「紙覆しふく」と言ったことから、この名前があります。

茶の湯の盛り上がっていた室町時代後期、茶道具の中では特に茶入れが尊重され、その袋の調製にも人々の熱意が向けられました。

仕覆しふく(仕服)に使用された布は、外国から舶載された金襴きんらん緞子どんす間道かんどうなどのいわゆる名物裂めいぶつぎれが用いられたりしました。

名物裂めいぶつぎれとは、鎌倉時代から江戸時代初期にかけて主に中国やインド、ベルシャや東南アジアから渡来した絹織物の呼び名のひとつです。

「茶の湯」において、使用される茶器は、大名物おおめいぶつ中興名物ちゅうこうめいぶつ名物めいぶつなどと価値の順位付けがされ、名のある「名物めいぶつ」は大事に扱われるため、その茶道具の価値によって、その包みとなる織物も同様に重要視されていました。

仕覆しふく(仕服)の袋口を閉めるための緒(ヒモ)には、朱色や紫、青などの組紐くみひもが用いられました。

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