真綿とは、木や草の綿毛、すなわち植物性の繊維である綿に対して、蚕から綿、すなわち絹綿を表します。
日本には古くから木綿が知られていなかったので、綿といえば全て絹綿だったのです。
真綿(まわた)・蚕綿(かいこわた)とは?
平安時代に木綿が伝来し、だんだんとその栽培が普及してくると、いつしか木綿の方を綿を呼ぶようになりました。
そこで、本来の「綿」である絹綿の方を次第に「真綿」と呼ぶようになったとされます。
真綿は蚕綿とも呼ばれ、木綿が普及する以前の天正(1573年〜1592年)ごろまでは、身分が高い人々は真綿を用いていました。
一般庶民には手が届かなかったため、多くは麻布に蒲(ガマ)の穂綿を入れて代用したとも言われます。
江戸時代後期でも絹地の衣服には真綿(蚕綿)をいれ、木綿布には木綿を入れるのが一般的でした。
一反分の反物を織るために必要な繭(まゆ)の数
一反分の着物の着尺約12mを織るために必要な絹糸は、もちろん前後はありますが700gほど必要になります。
1粒の繭から、長さ800m〜1500mほどの糸がとれ、重さは大体1.5g〜2.5gで、繭のうち糸になるのは約17〜20%ほどです。
仮に、繭1粒あたりを2gとし、1粒から重量の20%ほどの絹糸がとれるとすると、0.4gとれることになります。
その場合、例えば2000個の繭で、4kgほどの重量になり、そこから20%の絹糸が取り出せるとすると800gになります。
2gの繭から、0.4g絹糸がとれるとすれば、1,750粒の繭があれば、ちょうど700gで、一反分の生地を織ることができる計算です。