「吉祥」は、良いきざしや、めでたいしるしめでたい印を意味する言葉です。
吉祥文は、「吉祥」の意味が込められたデザインを総称します。
中国古代の『五行説』や『易経』の思想に基づくもの、宗教上の信仰によるもの、その他視覚的感情によるもの、歴史的伝説に基づくもの、言葉の発音と意味による語呂合わせ、隠語や迷言など、多種多様の吉祥文があります。
デザインにおける吉祥文(きっしょうもん)
鶴や亀、鳳凰や龍などは、吉祥の意味を表す動物として非常に多く用いられてきました。
植物では、松竹梅や牡丹、四君子(蘭、竹、菊、梅の4種を組み合わせたもの)などがさまざまあります。
デザインにおいては、宝尽しや吉祥の意味を表す文字を模様化(文様化)した「文字文」なども好まれました。
日本にける紋章の多くは、吉祥の意義からデザインに採用されています。
例えば、井戸の上部の縁を、地上で井の字形に組んだ木の囲いを「井桁」と言いますが、井桁を模様化した井桁模様は、吉祥の意味があるものとして活用されてきました。
井戸を象徴する井桁の「井」の形を象形化した模様で、古くから生活に欠かせない水源である井戸を守るその重要な役割から、家内安全の意味が込められる模様としても人々から親しまれるようになります。