染色・草木染めにおける黄染(きぞめ)


黄色は、赤と青とともに三原色の一つです。

古代中国においては、一年を四季に分けて、春(青)、夏(朱)、秋(白)、冬(玄)としていましたが、時間が経つにつれ、五行説ごぎょうせつにしたがって黄色を中央に入れることになります。

つまり、夏を二つに分けて一年を五季として、春は青、夏の前半は朱、夏の後半は黄、秋は白、冬は黒(玄)の五つの色によって表すことにしたというわけです。

日本も初めは五行説ごぎょうせつの考えを取り入れましたが、奈良時代ごろには、黄色は無位無冠むいむかん(特別な地位がないこと)で一般民衆の服の色でもありました。

きんのことを黄金というのは、その色が黄であるということからきています。

染色・草木染めにおける黄染(きぞめ)

黄色に染めることを黄染きぞめといいます。

合成染料にはさまざまな黄染の染料がありますが、古くから使用されている天然染料の場合でも実に多くの黄染に使用できる染料があります。

黄檗きはだ刈安かりやす梔子くちなし黄蓮おうれん鬱金うこんなど、何千年も前から染料として知られています。

媒染剤を必要としない染料も多く、鬱金うこんやエンジュ(槐花かいか)などすこし染液を酸性にすると色が冴えるものもあります。


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