花卉文とは、草花や樹木を模様化(文様化)したものを表します。
ヨーロッパでは草花や樹木を写生的(自然や事物を実際に見たままに描くこと)に扱うことが少なく、ロゼット(rossette)やパルメット(palmette)、唐草模様などにデザインされましたが、東アジアや日本などでは写実的に扱われることが多くありました。
古くは、中国やインド、ペルシャなどからの影響が大きく、唐花や宝相華などの空想的な花卉文が愛好されていました。
近世以降は、特に梅や桜、藤や燕子花、紅葉などを写生的に扱い、花卉の趣や季節感が表現されてきました。