「禾稼」、の「禾」は穀物の総称で、「稼」は実った穀物を表すため、禾稼とは穀物を意味します。
穀物の模様(文様)である禾稼文は、中国の殷代(紀元前17世紀頃〜紀元前1046年)の頃の銅器のデザインにみることができ、米や麦、粟や黍などがモチーフとなっています。
儒教の経典(十三経)の一つで、『礼記』『儀礼』とともに「三礼」を構成する書物である『周礼』には、爵位を授けられた者の穀壁に禾稼文を浮彫りにすると規定されてました。
デザインにおける禾稼文(かかもん)、穀物の模様(文様)
日本における禾稼文には、稲の形を模様化(文様化)した稲文や粟(ぞく)を模様化(文様化)した粟文などがあります。
稲文は、染織品や道具のデザインにあまり使われることは少なく、紋章として比較的使われました。
また、京都伏見の稲荷神社の「束稲」にみれるように、神紋としても歴史があります。
稲文の紋には、葉のついた稲を左右から丸く向かい合わせた形を描いた抱稲なども知られています。