英語のインベストメント(investment)は、「invest(投資する)」の名詞形ですが、古くは「衣服」を表す言葉でもありました。
「invest(投資する)」の語源は、ラテン語の「investire(衣服を着せる)」で、フランス語の「investir」を経由して、1489年に文献に初出しています。
インベストメント(investment)は、1598年に「衣服」、1625年に「投資」の意味で文献に初出しています。
「invest」の語源をさかのぼると、古くは、衣服が人の価値を決めるものであり、そのために投資が必要であったことがわかります。
目次
インベストメントクローズ(investment clothes)投資する価値のある衣服
1970年代後半から、80年代にかけて、アメリカで「キャリアウーマン」の名の下、仕事に熱心に取り組むエリート女性がライフスタイルのリーダーとなりました。
彼女たちが求めた衣服を「インベストメントクローズ(investment clothes)」などと表し、「投資する価値のある衣服」として、さまざまなデザインや機能性が求められました。
例えば、インベストメントクローズ(investment clothes)に値する服としては、以下のようなものが挙げられます。
- 他の衣服と自由に組み合わせて着られる、利用価値の高い衣服
- 着る人の価値を高めるような働きをする、優れた素材やデザイン
- 高価で高級な、いわゆる「ブランドもの」の衣服
- 定番の形であるが高級な素材でできている
- 飽きがこないで、長期間着られる服
ファッション(衣服)に投資するという考え方
古くからファッション(衣服)は投資する対象でもありましたが、現代においても投資する対象であると考えられます。
二次流通を前提としたファッション(衣服)の購入
一度市場に出た商品が消費者に渡り、再び販売されることを「二次流通」と呼びます。
二次流通の業者としては、古着屋や古本屋、リサイクルショップなどがよく知られていますが、現在ではインターネットが発達し、個人でも使わなくなったものを簡単にネット上で売買できるようになりました。
ファッション(衣服)においても、二次流通市場(中古市場)で価値が下がりにくい品があります。
例えばブランド品は価値が下がりにくい傾向があるため、ある程度着用して飽きたら売ることで、実際に払った金額を少なくできます。
「投資したお金」に対して、購入した満足度を高くすることができるのです。
長期的に見て、価値が下がりにくい服が「投資対象」として優れる衣服とも言えます。
長く着用できる服
長く着用できる服を購入する方が、「投資」という観点においては優れています。
古くは、人々は着るものに困っていたため、衣服はとても貴重で大切なものでした。
古着を丁寧に繕って、二代三代と着ているのが当たり前の時代がありました。
衣類にあまりにも恵まれている現代においては、服をたくさん買ったり、すぐダメになってしまう服を選ぶのであれば、長く着用できる服(自分自身が飽きないで、物持ちが良い)を少ない数選んだ方が、投資する価値があるといえます。