英語のギャザー(gather)という意味には、①拾い集める、引き寄せる、抱き寄せる②蓄積する、貯める③寄り集まる④収穫する⑤選び出すなどの意味があります。
語源は、印欧祖語(インド・ヨーロッパ語族の諸言語の共通の祖先とされる理論上の言語)の「ghedh=1つにする、合体させる」で、古ゲルマン語などを経由して、古英語時代に「集める、集まる」という意味になっています。
ファッション・服飾におけるギャザー(gather)という用語は、布の一端をゆるく縫い、その縫糸を一方に引っ張って布端を寄せる(縮める)ことを表します。
あるいは、一方の布に他の布を縫い付ける際に、一方の布を掻き集めるように寄せ縮めて縫い付け、布に無数に並ぶ不規則な小さなヒダ(シワ)を生じさせているものを言います。
ファッション・服飾におけるギャザー(gather)の意味や特徴
ファッション・服飾におけるギャザーの意味(目的)としては、運動量(動きやすさ)やゆとりを持たせることにあります。
装飾的な意味では、シワが出ることによって立体感を出したり、放射状にふわっと広がるように余裕があるため、着用する人が「若々しく感じる」という印象を与えることができます。
ギャザーワンピースやギャザースカート、ギャザーブラウスなどが「ギャザーを使用する」代表的な例で、ギャザーによって柔らかい雰囲気も表現することができます。
女性のファッションにおけるウエストや袖口部分などにも、多く用いられています。
ギャザーは、布の一端でヒダ(シワ)を作り、反対側ではヒダ(シワ)を作らないため、ヒダ(シワ)が途中で消えていく形となります。
布のヒダ(シワ)という意味では、「タック(tuck)」や「プリーツ(pleats)」に似ていますが、タックやプリーツのヒダ(シワ)は、規則的に布をきちんと折りたたまれており、ヒダ(シワ)の折れ口が鋭く(鋭角的)になっています。
一方、ギャザーはヒダ(シワ)の高さや幅が小さく、無作為的(偶然にまかせること)で無数にあるという点に大きな違いがあります。