デザインにおける含綬鳥(がんじゅちょう)


含綬鳥がんじゅちょうとは、緩帯かんたいをくわえた鳥で、その模様である含綬鳥文がんじゅちょうもん吉祥きっしょう模様(文様)として知られています。

デザインにおける含綬鳥(がんじゅちょう)

緩帯かんたいは、中国古代の官位を示す帯であり、位(地位)によって色が定められていました。

含綬鳥がんじゅちょうの模様は、中国の六朝時代りくちょうじだい(3世紀から6世紀)頃からみられ、とうの時代(618〜907年)に流行していました。

デザインに使用される鳥に数は増え、鸚鵡おうむ鴛鴦えんおう(オシドリ)、つるなどがみられます。

唐代の緩帯かんたいには、大綬たいじゅ小綬しょうじゅがあり、鳥がくわえてる緩帯かんたいもこの2種類です。

日本には、奈良時代に含綬鳥がんじゅちょうが模様として伝来しました。

正倉院しょうそういんには、数多くの美しい含綬鳥文がんじゅちょうもんが残っています。

例えば「紅牙撥鏤尺こうげばちるのしゃく」、「緑牙撥鏤尺りょくげばちるのしゃく」、「銀平脱鏡箱ぎんへいだつかがみばこ」などが例として挙げられます。

日本においては、含綬鳥がんじゅちょうのデザインが、花喰鳥はなくいどりから、松喰鶴まつくいづるへと転化していきます。


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